日本人作曲家の作品を演奏することを命題としたオケ「オーケストラ・ニッポニカ」の最新作は、今年没後10年を迎える大作曲家、伊福部明の3人の弟子、池野成今井重幸石井眞木の作品集。共に爆発的なテンションを擁する曲であると同時に、土着的、というより独特なリズム感が特徴的。これは師・伊福部昭が最も得意とした技法であり、師の影が所々に顔を出す。しかし影響を受けながらも、それぞれに民族的・純音楽的・現代的な作風を駆使することで師とは違う道を導き出している。20世紀日本の音楽界に残された偉大なる足跡を知ることのできる曲たちであると同時に、とにかく面白い作品群だ。