FES☆TIVE
灼熱のワッショイな季節、お祭り娘たちの血は騒ぐ!!

 〈日本を元気にする!〉を合言葉に、2013年春にスタートを切った〈お祭り系〉アイドル・ユニット、FES☆TIVE。都内を中心に活動を続けつつ、昨年5月のシングル“お祭りヒーロー”でメジャー・デビューを飾って以降は、海外でのステージも経験。ユニット名の由来となっている〈フェスティヴァル〉〈ポジティヴ〉〈アクティヴ〉なフィーリングをステージの上で全開にしながら、各地で〈元気〉を拡散中の8人組なのだ。今回は最年少ながらもリーダーを務める汐咲玲亜を中心に、青葉ひなり、桃原ひよの3名に話を訊いた。 ※ピ~ス!久保田

玲亜「私たち、アップテンポの曲しかないですから!」

ひなり「ライヴでは最初から全開なので、(SEに乗って)ひとりずつ登場してくるところで私は2番目なんですけど、みんなが揃った時点で息が上がっちゃうこともあるんですよ(笑)」

ひよ「“シダレヤナギ”(最新シングル“進めジパング”のカップリング)という、たぶん……私たちの代表曲と言われている……曲があるんですけど、イントロで客席に背中を向けているとき、ファンの皆さんが〈ソイヤー!〉って叫ぶんです。その〈ソイヤー!〉の威力で、その日のライヴの熱がわかるんです」

“シダレヤナギ”のライヴ映像
 

玲亜「あと、最近はFES☆TIVEの〈オシャレ化計画〉を進めていて、可愛いグッズを作ったりもしてるので、女性のお客さんも少しずつ増えてきてるのが嬉しいですね」

 と、順調に手応えを掴んできた彼女たちが、いよいよファースト・アルバム――その名も『ワッショイレコード』をお届け! タイトルを聞いただけでもワクワクしてくるようなお祭り気分満載の今作には、これまで配信でしか入手できなかったライヴの定番曲もめでたくパッケージされている。

FES☆TIVE ワッショイレコード 徳間ジャパン(2016)

ひなり「ライヴではなかなか行けない地方の皆さんにも、FES☆TIVEを知ってもらえるきっかけになるので、やっぱり形になるのはすごく嬉しいです。私自身もCDで欲しい派ですし」

玲亜「結成して最初に発表した“祭りだSun Sun”など、初期の曲は現在のメンバーで新たにレコーディングしているので、私たちにとってもすごく新鮮ですね」

 ライヴのオープニングと同様に、エキゾティックな序曲“START OF FESTIVAL”で幕を開けるアルバムは、中毒性の高いシングル曲“お祭りヒーロー”や“金魚のきんちゃん”をはじめ、スパークリングなサマー・ポップ“夏色とりどリボン”、ハイエナジーなハード・ロック・サウンドの“学祭エモーション”、和のテイストを盛り込んだラウド・チューン“大江戸爆裂花火姫”、トランシーでラヴリーな“マジカルパレード”など、玲亜の言う通りアップテンポの楽曲ばかりだが、さまざまなおめかしを施したサウンドで最後まで飽きさせない内容だ。さらに、Type-AとBのそれぞれに、ライヴでお披露目したばかりの“SUMMER☆ JUMPING”と“いろは音頭ついでかつお節”という新曲も収録されている。

ひよ「“いろは音頭ついでかつお節”は、かなりキーの高い曲で……」

ひなり「難しい曲ですね。歌ってると頭の中が真っ白になります(笑)」

玲亜「“SUMMER☆JUMPING”は、野外で映える曲なんじゃないかな?って思います。ビデオを作るなら、みんな水着で踊ってるようなイメージで!」

 ファースト・アルバムというひとつの目標を達成し、お祭り系グループの本領発揮なシーズンを迎えた彼女たち。2年連続となるTIF出演をはじめ、この夏は各地で熱いパフォーマンスを観られる機会も増えそうだが(初のインドネシア公演も決まったって!)、そんなFES☆TIVEの次なる野望とはいったい?

玲亜「大きな目標を掲げるというより、目の前のことをひとつずつ……でも、野外でのワンマン・ライヴはやりたいです。明るいうちから始まって、だんだんと日が暮れていくあの感じをステージの上で体験したいですね」 

 

 

Party Rockets GT
今季最高のサマー・チューンを打ち上げるよ!!!!!

 ポップソングの題材としてもっとも人気の季節は……言わずもがな。毎年のようにサマー・ソングは数多く生まれていて、それはアイドル界においても例外ではありませんが、ことParty Rockets GTに関しては、その前身からあまり季節感を気にしないハードで刹那的な曲調を主軸としてきました。が、2月の“虹色ジェット”から半年ぶりのニュー・シングル“真夏のマジ☆ロケット”は、もう曲名そのまんま! ※出嶌孝次

Party Rockets GT 真夏のマジ☆ロケット Rocket Beats(2016)

NANASE「ちょうど4月のワンマンでサプライズで発表があって。めっちゃ嬉しかったよね」

FUMIKA「そう、何より夏に夏の曲が出せるっていうのが嬉しくて!」

AYUMI「すごい元気な曲。サンバです」

HARUKA「明るい雰囲気で、お客さんとみんなでノレる感じになりました」

HIMEKA「衣装が赤とシルバーっていうのも、いままでの黒白のイメージとは違うよね」

 そんな衣装と同様、ホイッスルで始まるサンバと軽快なギターの唸るハード・ロッキンな意匠を組み合わせたアレンジは、新鮮なノリと従来のパティロケ感を折衷したもの。「HIMEKAの自撮りがいちばんリアルです(笑)」(FUMIKA)という楽屋風景から海へ……(?)というMVもユニークですが、“虹色ジェット”に続いて歌い出しをHIMEKAが担当し、HARUKAが落ちサビまで歌わず踊り続ける歌割の変化も、この5人でやれることの幅が広がった結果のトライに思えます。

 そんな振り幅は、3曲用意されたカップリングにも明らか。まず、重いリフが耳を惹く“Have a nice party”は、帰国子女のAYUMIならではのナイスな発音が光るハード・エッジなナンバーで、個々のドヤ顔が浮かぶような歌いっぷりもかっこいいです。

AYUMI「英語で煽ってるんですけど、日本語の歌詞の部分も英語っぽく聴こえる歌い方をしてて、かっこいい海外の曲みたいになってます。自分でも鳥肌が立ちましたね(笑)!」

NANASE「パリピ感というか。ダンスもけっこう大人セクシーな感じだよね」

HARUKA「間奏では細かいフリがなくて、自由に動いてみんなで盛り上がれる曲です。私はパリピ感がまったくないんですけど(笑)、この曲はノリノリになれます」

 一方、ロック・バンドのミソッカスが提供した“革命センセーション”は、転調と緩急の激しいラウド・ナンバー。これもライヴでの盛り上がりを約束してくれるでしょう。

HIMEKA「パラパラのフリも好きだし、音が止まって〈レボリューション♪〉〈センセーション♪〉って歌うところが可愛くて好きです。あと、全員で歌い継いでいくラップみたいなパートに注目してほしいなって思います」

 そして、表題曲と同じく吉水孝之×三宅英明コンビによる“イニシャルはFという希望”は、疾走感バリバリな王道のパティロケ節に。

NANASE「ギターもかっこいいし、サビも耳に残るし、この曲がいちばん好きなんです。声のトーンも私に合ってて」

FUMIKA「いちばんパティロケっぽいよね。今回の4曲ではいちばんダンスの激しい曲で、私は歌が苦手ですけど、大事なパートをいただいたのでがんばっています(笑)」

 そんな真夏仕様のシングルと共に、熱い連戦に挑む5人。グループでもTIFなどのフェスやイヴェント出演を重ねつつ、HARUKAは〈@JAM〉ナビゲーターのNAHでも活動を始め、HIMEKAは〈ミスiD 2017〉のセミファイナリストにも選ばれたばかりです。

NANASE「去年の夏はまだ5人が出会ってなかったので、今年はいろいろな舞台に出演させていただけることに感謝しながら、みんなで楽しんでいきたいです」

HIMEKA「この夏が凄く大事だと思うんです。定期ライヴも毎月やってますし、次にまたワンマンがあった時にはもっといろんな人に来ていただけるように、この夏でパティロケと新曲を広めたいです」

FUMIKA「ひとつひとつ大切に盛り上げていけたらなって思いますね。タオルを持ってライヴを観に来てください!」

 

 

チャオ ベッラ チンクエッティ
10周年も通過点――待望のニュー・アルバムが熱い!!!!

 十年一昔といいますが、かけがえのない日々を駆け抜ける若い女性にとって、10年という単位は大昔になるのかもしれません。このチャオ ベッラ チンクエッティのメンバーたち――(左から)岡田ロビン翔子、後藤夕貴、橋本愛奈、諸塚香奈実も、そんな長い年月をグループでの活動に費やしてきました。

 結成は2006年8月2日。ハロプロエッグから選抜された3名がTHEポッシボーの名を与えられた時から、このグループの活動はスタートしました。その後6人組となってデビュー……以降の足取りは多くの人が知るところかもしれませんが……2016年現在、チャオ ベッラ チンクエッティと改名したグループは4人で奮闘を続けています。

チャオ ベッラ チンクエッティ Alive 4 U!!!! PICCOLO TOWN(2016)

 そんな結成記念日の翌8月3日、彼女たちは2年ぶりの新作にして現体制で初のアルバム『Alive 4 U!!!!』をリリースします。いわゆるアニヴァーサリー的な機会ではありますが、今回のアルバムは感慨よりも現在進行形を強く意識したもの。すでにライヴで機能しまくっている強力なナンバーをズラリと取り揃え、ワンステージのセトリのように配した構成は、これからチャオベラに出会うリスナー/オーディエンスに手招きするような、ライヴの楽しさを約束する内容になっているのです。

 そんな楽曲群は、すなわちファンにとっては長らく音源化を切望していたものでもあります。まず、山寺宏一の陽気な煽り声をループした“True Hearts ~ファンタスチック4~ Ver.A”は、ライヴのオープニングSEと、個々のダンスをラップで盛り上げる他己紹介のパートと、そこからキャッチーに広がるフックの開放感をすべて掛け合わせた定番の一曲。4人それぞれのかっこいい個性が漲る人気のアップ・ナンバーです。また、激情を迸らせてエモーショナルに歌い上げる“ギミバニラ!”もその勢いを受けたダンス・チューン。年齢相応のセクシーな魅力でグイグイ迫ってくる様子は何ともパワフルです。

“True Hearts ~ファンタスチック4~ Ver.A”のライヴ映像

 

 その後には過去最高のセールスを記録した1月のシングルから“一期一会”と“どうしよう、わたし”を立て続けにカマし、KANの日本語詞で〈オー・シャンゼリゼ〉を取り上げた昨年のシングル曲“表参道”と、恩師つんくの作詞した“Never Never Give Up”は、現4人による新ヴァージョンで披露。感傷に溢れたバラード・ナンバーの“二子玉川”は歌姫こと橋本のソロで収められています。

 また、タイトルがポッシボー感(?)の強い完全な新曲“BOOM!×3 ~ジェラしっちゃうぞ! 焦らしっちゃうぞ!~”も大人っぽいシャープさが光る楽曲。4人のかっこいい表情と逞しい歌唱力を思うままにアピールしてくれます。一方で、ポッシボー時代から人気の名曲“さぁ来い!ハピネス!”(2013年)のライヴ録音をベースに新規のコーラスや合いの手を盛り込みまくった“ハイパー!!ハピネス!!(2015.12.27 豊洲PIT Ver.)”は、現場の汗だくなノリをそのまま直送するもの。

 以降もライヴではお馴染みな楽曲の初音源化です。実質的なロビンのソロとなるアッパーな“Pi-Kan§Sweet Emotion!”、そして諸塚のラップが可愛くもエモい鉄板ナンバー“キャモン! ~主役は私だ(お前もな!)~”、中島卓偉のペンによる男らしい雰囲気のポジティヴなロック・チューン“スタート”……と、歌や音楽にこだわって走ってきたメンバーたちの気合いが粒揃いの楽曲から伝わってくるかのよう。

 その流れをシメるのが、冒頭曲のエンディング・ヴァージョンともいえる“True Hearts ~ファンタスチック4~ Ver.B”。ボーナス・トラックには、縁のあるTESSYこと手島いさむ(ユニコーン)がギターで参加したアコースティック仕立ての“GOOD NIGHT SONG”へ……というのがこのライヴ、もといアルバムの概要。以上はロビンと後藤による〈ろびゆき盤〉の流れですが、はしもろコンビ主導による〈TWINS盤〉は曲順がまた異なり、ボートラでは“Dream More Dreams!”を披露していたりします。

 ともかく、数々の挫折を背景にしながらもそれを吹き飛ばす姿を全力で見せてくれるようなエモーショナルなアルバム。あれこれを振り返ったりしない作りの意味は、“True Hearts ~ファンタスチック 4~ Ver.B”で〈人生を振り返るのはまだ先でいい〉と歌っている通りでしょう。4人での活動はまだ1周年を迎えたばかり。節目すら通過点にしてチャオベラの道は続きます。 ※出嶌孝次

 

 

Hauptharmonie
この楽曲の魅力に、アイドルとして勝ちたい

 アイドル音楽の多様性――例えばメタルを筆頭とするラウドなサウンドは作品やステージをエンターテインさせるメソッドとしてもはやこの界隈のキラー・アイテムになっているけれど、Hauptharmonie(ハウプトハルモニー)の音楽性はかなり異質だ。昨年夏に発表したファースト・フル・アルバム『Hauptharmonie』では、90年代のUKロックやシューゲイザー、アノラック、バルカン・ビートなど、キャラクターや歌声ありきでイメージを膨らませたバンド・サウンドを背に、アイドルとさまざまな音楽の交わりをコスプレではない世界観から放ってくれていた。

Hauptharmonie Herz uber Kopf 箱レコォズ(2016)

 昨年末にタワレコの箱レコォズに仲間入りし、コンスタントにEPリリースを重ねる過程でメンバーが離脱していくというアクシデントもあったものの、オリジナル・メンバーの寺田珠乃(リーダー)と相沢光梨に、今年2月に新加入した倉木七海、茅ヶ崎りこ、芹奈莉温という5人組で戦闘態勢に。早速届けてくれたセカンド・フル・アルバム『Herz über Kopf』は、ブルージーなリフをバックに〈アイドル稼業〉のフラストレーションをぶちまけた“BUDDY”で幕を開ける。 ※ピ~ス!久保田

珠乃「これだけ真面目にやってるのになんで裏切られるの?とか、いろいろな思いを曲にぶつけました(笑)」

光梨「セリフがいっぱい入っていて、メンバーが書いた部分もあるので、よ~く聴いてると〈ここ、こんなこと歌ってるんだ〉っていう発見ができるんですよ」

珠乃「Hauptharmonieを始めていろんな種類の音楽があることを知ったし、アイドルがこんな曲をやっていいんだっていうのは今回もたくさん感じました」

七海「他のアイドルさんの曲とか、聴いててカワイイなとか思うんですけど、私の低い声では歌えないんですよね。でも、Hauptharmonieの曲は七海の声でも歌えるというか、〈七海の声、要るやん!〉って思えるから、歌ってて楽しい」

りこ「Hauptharmonieって難しい曲が多くて、そこは好みが分かれるところだと思うんだけど、“パラレルワープ”はライヴでも人気だし、みんな好きになると思う。まだHauptharmonieを知らない人、騒ぎたいオタクにはぜひ聴いてほしい」

 その“パラレルワープ”はベースの効いたエレポップで、他にもパンキッシュなジャズ・ナンバー“Kidnapper Blues~人攫いの憂鬱~”、USオルタナ感全開のギターが唸る“LAST CHANCE(幸福の妨げ)”、さらに「中学生の自分にこれ歌わせるん?って。歌詞に読めない漢字があって調べたら……オイ!みたいな。親の前では歌えない曲」(莉温)というブルース・ロック“Alice in Abyss”、7分近くに及ぶ壮大なシンフォニック・ロック“assuage his disappointment”、「私、踊ることが好きだけど歌がヘタクソなんですよ。この曲は踊りがいっぱいあって、歌に集中しなくてよくて、私……得です(笑)」(莉温)というジャズ・ロック・ナンバー“国王”など、バンド・サウンドならではのエモーションとセンシティヴィティーに溢れた楽曲を満載(トータル66分強!)。こと作品性という部分に関しては三つ星の出来映えだが、それゆえにメンバーたちには、他のアイドルがあまり実感することのない思いもあるようだ。

りこ「音がかっこいいから、曲がかっこいいから……そのぶん、推しのメンバーが卒業したからって来なくなるお客さんは少ないんだけど」

珠乃「個人を推してくれてる方でも、やっぱりHauptharmonieの音楽が好きで追いかけてくれてる感覚というか。もうちょいメンバーの魅力が勝たなきゃなっていうのが課題ではあります。私たちはアイドルっていう意識があるし、楽曲が好きって言ってくださるのはもちろん嬉しいけど、そればかりだと悔しいんですよね」

光梨「うん、音楽に勝ちたいよね、アイドルとして」

 

 

感情は理性を超えたか?――Hauptharmonieの2年間

 Hauptharmonieが公式に始動したのは2014年の7月12日。〈仲睦まじく行儀良く、音楽に遊ぶ〉というキャッチの通り、同年秋と翌年春に重ねた2枚のEPでは、nienu(Marmalade Butcher)による初期の代表曲“映ゆ”を筆頭に、清楚な雰囲気を帯びたギター・ポップやスカ・ナンバーで個性を見せ、早耳なリスナーの注目を一躍集めました。1周年の節目に届いた初のアルバム『Hauptharmonie』は、佐藤将文(UNCHAIN)による“ボウ”や、USオルタナっぽい“Ictus of Sun”など、90年代色の濃いサウンドに童話的な世界観を融和した独自路線を強固にして、高い評価を獲得することになります。

 同年末には箱レコォズからEP『GOLDENBAUM ep.』を発表して新たなステップへ移行するも、今年に入って相次いだ人の出入りも影響してか、5月のコンセプト・ミニ・アルバム2枚はあえて混乱を曝け出すような方向に。前後して、牧歌的な世界を抜け出した〈ハウプト悪モニー〉を名乗っての、がむしゃらな動きも話題になりました。その影響は今回の新作『Herz über Kopf』のカオスな充実ぶりにも明らか。清濁をガブ飲みしてまったく別の楽しさを獲得しつつある彼女たち。TIF後の充電を経ての次なるアクションに大期待です! *出嶌孝次