多彩な顔ぶれを迎えた前作『vivid』から約2年ぶりのセカンド・アルバムは、盟友RamzaFree Babyroniaがトラックを分け合い、客演入りも1曲のみ、と身近な東海勢と共に自身の世界に向き合った内容。日々ファンを増やす活動にあっても変わることない足元を見つめ、研ぎ澄ませた歌詞とタイトなラップが、メロウな情感を差し出すシンプル極まりないトラック群にエモーショナルに響く。そうしたなかにあって、ダークなアンビエント・テイストを背景に淡々と打ち鳴らされるビート上で、〈芸術売りにしてるバカと 大人が着てるシャツの胸にカート それかマリリン・マンソン〉のラインが鮮烈な“KILLEME”から、メタリックなトラックでC.O.S.A.NERO IMAIとスリリングなリレーを見せる“Shoo-in”、そして“Black Suede”へと繋ぐ中盤は、アルバム内の異色な流れにして作中の白眉。それらを挿んでメロウ路線へ戻す後半も粒揃いで、プロデューサー陣の手腕と併せてさらに主役の存在を印象づける一作だ。