KIDS NEVER DIE 2016
[特集]いままたポップ・パンクが盛り上がっている理由
BLINK-182


トム・デロング(ヴォーカル/ギター)の脱退というマイナス要素を吹き飛ばし、自身2度目の全米No.1を達成したばかりか、全英チャートでも初の首位を獲ったブリンク182の5年ぶりとなるニュー・アルバム『California』だ。リードを取るマーク・ホッパス(ヴォーカル/ベース)と、新加入したアルカライン・トリオのマット・スキバの声の相性が想像以上に良好で、勝因はそのコーラスを活かした曲作りにあるのだろう。また、表題曲をはじめ、US西海岸への愛に溢れた歌詞もイイ。ヒップホップにドップリだったトラヴィス・バーカー(ドラムス)の外仕事を追ってきたファンなら、まさかここまで直球のパンク作品になるとは思わなかったはず。王者ブリンクがブリンクらしい作品を届けてくれたからこそ、リヴァイヴァル気運がいっそう高まってきたことは言うまでもない。 *山口智男
WANIMA

名門PIZZA OF DEATHがレーベルとしてだけでなく、初めてマネージメント契約したバンド――この事実だけでも彼らの凄さを理解していただけるだろうか。2010年に熊本で結成し、昨年11月にファースト・アルバム『Are You Coming?』を発表したばかりのWANIMAは、数々のフェスに引っ張りだこ&2000人規模の会場をいっぱいにできる3人組。人気の理由は、〈どんなに辛いことがあってもがんばろう〉と訴える日本語の歌と、それを会場中が一体となってシンガロングする、笑顔と涙に満ちたライヴにあると思う。PIZZAが日本語詞のグループを迎え入れたのには驚かされたが、その歌がパンクに縁のなかったリスナーをも取り込み、そこから同ジャンルにズッポリはまってしまった人まで続出しているというのだから、タダゴトではない。実際、今年6月に行われたレーベル主催のイヴェント〈SATANIC CARNIVAL〉で、客層の若返りを目の当たりにしたところだ。
そんな頼もしい存在の3人より、ニュー・シングル『JUICE UP!!』が届いた。オープニングを飾る直球のメロコア曲“ともに”、スカコアに地元のお祭りのリズムを採り入れた“オドルヨル”、Hi-STANDARD先輩のマナーでカヴァーした財津和夫の“切手のないおくりもの”、ノンビートな歌い出しにノスタルジックでセンティメンタルな味わいを滲ませる“For you”――〈できるだけ多くの人に自分たちの歌を届けたい〉との目標に向かい、バンドが第2章に入ったことを印象付ける全4曲。ちなみにそのうちの2曲はTVCMに起用され、リリース直前には「ミュージックステーション」への出演も果たしている。お茶の間でも、現場でも、場所を選ばずに聴く者の胸を熱くするWANIMA。国産パンクの未来を明るく照らすのはコイツらだ! *山口智男
DESCENDENTS

カリフォルニア・パンクの第一人者、ディセンデンツ。彼らの12年ぶりとなるニュー・アルバム 『Hypercaffium Spazzinate』がこのタイミングでリリースされるとは、シーンの盛り上がりをダメ押しするようなものじゃないか。社会問題や政治的なトピックでは なく、自分たちのありのままの日常をカッコつけずに歌う〈普段着パンク〉が、初期のグリーン・デイやブリンク182に与えた影響は絶大。そのスタイルは間もなく結成40周年目を迎えるいまも何ら変わらない。

見た目こそだいぶ老けたが、サウンドは2004年作『Cool To Be You』よりもむしろ若返っているというか、リズム隊は驚くほど軽快だし、ギターの音はキレッキレ、ミロ・オーカーマンの歌声もガツッと張っている。緩急の効いたショート・チューン“No Fat Burger”、やけっぱちの歌メロが胸を打つ“Smile”、ギター・ソロ以外はほぼすべて合唱パートの“Shameless Halo”など、粒揃いの佳曲ばかりだ。あとはフロントマンを除くメンバーがまるっきり同じなオールも復活してくれたら完璧。いずれにせよ、腹が出ようと〈パンク〉という名の青春は永遠に終わらないのだ! *荒金良介
