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RAMI
ヴァラエティー豊かな楽曲を取り揃えて挑む、熱望されたソロ・アルバム!

 

 初代ヴォーカリストとして2012年までAldiousに在籍し、しばしの活動休止期間を経た昨年、新プロジェクトのRaglaiaを結成して音楽シーンに帰ってきたRAMIが今度は満を持してのソロ・デビュー! RaglaiaではK-A-ZSADS)らと過去のイメージにないゴリゴリのヘヴィー・ロックに挑んでいたが、このたび登場した『Aspiration』ではそこに飽き足らない意欲的な仕上がりだ。今回プロデューサーに迎えられたのは、GALNERYUSANIMETALで知られ、Aldious時代にも縁のあった久武頼正。まず注目すべきは作編曲や演奏に携わっている顔ぶれの豪華さで、GALNERYUSのSyuYUHKIGargoyleKENTARO、さらに海外の作家や女性ヴァイオリニストのAyasaも起用することで楽曲の振り幅に結び付けている。

RAMI Aspiration Across Music/Village Again(2016)

 序曲に続き、Syuの手掛けた“In My Eyes”はGALNERYUSにも通じるメロディック・スピード・メタル。彼は厳かなバラードの“Forever Precious”も提供しており、そちらでは往時の姿を彷彿とさせる表現力豊かな歌唱にKOされるだろう。さらに同じGALNERYUSからYUHKIが手掛けた“Pray To The Sky”は壮大なプログレ・サウンドでRAMIの歌世界をたおやかに広げている。スケール感という意味ではさらにスウェーデンの作家チームが仕立てた“Secret Flame”もエヴァネッセンスを思わせる好曲だ。

 GargoyleのKENTAROによる王道HR/HMもキャッチーだし、それらと並ぶ篠原涼子のカヴァー“恋しさと せつなさと 心強さと”も往年のJ-Popにルーツを持つRAMIらしく、歌謡性の高さが実にハマっている。総じて妖艶さと華やかさを備えたメロディアスな音楽性は、RaglaiaともAldious時代ともまた違うRAMIの新しい個性を引き出していると言えるだろう。 *轟ひろみ