Page 2 / 2 1ページ目から読む

ロックを愛するすべての老若男女が聴くべき、イアンを語るうえで必要不可欠なアルバムを紹介! 

MOTT THE HOOPLE All The Young Dudes Columbia/ソニー(1972)

沈没寸前のバンドを復活させた起死回生の5作目。プロデュースはデヴィッド・ボウイだ。彼が書いた表題曲はいまや英国ロックを代表するアンセム。ルー・リードばりに不愛想な歌唱を披露したヴェルヴェッツ“Sweet Jane”のカヴァーをはじめ、グラマラスなサウンドをバックに勢い良く吠えるイアンがイカす。

 

DAVID BOWIE The Rise And Fall Of Ziggy Stardust And The Spiders From Mars RCA(1972)

〈モットを救いたい!〉なる思いから大ヒット確実の名曲を贈ったボウイは、もともとイアンのカリスマ性に興味津々だったそう。このグラム・ロックの金字塔を支えたスパイダーズ・フロム・マーズのギタリストのミック・ロンソンは、ボウイと袂を分かった後にモットへ加入することに。

 

MOTT THE HOOPLE The Hoople ソニー(1974)

グループのラスト・アルバムとなった本作は、フィル・スペクター調やリンジー・ディ・ポールの客演曲ほか、ぶっきらぼうかつワイルドな歌が記録された名曲だらけ。早すぎたパンク・ロック“Crash Street Kids”でのシャウト、クイーンに多大な影響を与えた“Marionette”でのオペラの導入……と聴きどころ多数。

 

MICK RONSON Play Don't Worry RCA/Cherry Red(1975)

モット・ザ・フープルを同時に脱退してから共同名義で活動するなど、イアンの良き相棒となる才能豊かなギタリスト。本作は彼のソロ2作目にして存命中最後のアルバムで、ハード・エッジ&ギンギンなプレイが暴れまくるグラム・ロックの傑作だ。“Girl Can't Help It”ではイアンがバック・コーラスで参加している。

 

IAN HUNTER You're Never Alone With A Schizophrenic RCA(1979)

ミック・ロンソンと組み、パワー・ステーションで録音したソロ4作目。Eストリート・バンドが助力したこともあり、ブルース・スプリングスティーン的なキリリと引き締まったロック・チューンが満載で、イアンのパフォーマンスも男気炸裂だ。同年にバリー・マニロウがヒットさせた“Ships”は涙を誘う名バラード。

 

IAN HUNTER Man Overboard New West(2009)

70歳を迎えてもなお前進していく、という固い意志に貫かれたこのソロ13作目は、新作でもタッグを組んでいるアンディ・ヨークとの共同プロデュース。スティーヴ・ホリーらヴェテラン・プレイヤーによる骨太かつしなやかな演奏と、イアンの特徴的なシャガレ声が凄くマッチしていて心地良いことこのうえない。