新境地を拓いた『BOY』から早3年、結成15周年を飾る3作目。BIOMANが全曲を手掛けた前作から一転し、メンバー全員でソングライティングに臨んだことで、ヴァリエーションに富んだ仕上がりとなった。ゲスト・ヴォーカルも8年ぶりに招いており、neco眠るの世界観や活動スタンスを代弁するようなスチャダラパー+ロボ宙のラップが、良い湯加減のエキゾ・ファンクなトラックにどっぷり浸かった“ひねくれたいの”、そして安部勇磨(neve young beach)はトロピカル期の細野晴臣を思わせる“SAYONARA SUMMER”にて、夏の終わりの切なさを鮮やかに切り取ってみせる。アフロ・ポップやモンド~エキゾチカ、ファンクにレゲエなどをユーモラスなフレーズに転化してアイデアたっぷりに混ぜ合わせたサウンドは、やはりオンリーワンの存在感。それでいながら、いままでになくメロウでスウィートな味わいも感じさせてくれる。じっくり熟成され、さらに振れ幅を大きくしたようなneco眠る節を存分に楽しめるアルバムだ。