明かりを消して、ベッドに横たわる行為は思考をよりクリアにできる
――昨年リリースされた『Turn Out The Lights』についてもお訊きしたいんですけど、ホントに素晴らしいアルバムでした。リリースから2~3か月経ち、ステージの上で歌い続けていくなかで新たな発見があったり、別の意味が生まれた曲はありますか。
「書いた時とは関係性が変わってしまった部分もあるけど、すごく想い入れがあるのは“Appointments”かな。シングルにもなったし、アルバムの中でも最初に歌詞を書いてレコーディングした曲でもあるからね。
それと、“Televangelist”はライヴで演奏するのが一番好きな曲のひとつよ。完成した時は、少し長めの曲だからオーディエンスが退屈しないか心配してたんだけど……だんだん馴染んできたと思う。
あと、“Sour Breath”も私にとってすごく大事な曲。あの曲が持つメリハリというか、ダイナミクスが進化していく過程がすごく面白いの。ライヴは、完成した曲をより実験的に広げることができる貴重な機会だと思うわ」
――(日本盤の歌詞対訳を見せながら)ちなみに、日本ではあなたの書いた歌詞がこうやって日本語に翻訳されているんですよ。これって他の国にもある文化なんですかね?
「へえ~。ヨーロッパでは基本的に英語のままなんじゃないかしら?」
――スプーンのブリット・ダニエルさんも、この歌詞対訳にかなり興味を示してらっしゃいましたよ。
「うん、すごく面白いと思う! 日本語と英語って何もかもが違うじゃない? たとえばスペイン語とかフランス語だったら、アルファベットが同じっていう共通点もあるし、センテンスや語順も似てるから何となく理解はできたりするでしょ。
でも、日本語の場合はこれ(歌詞対訳)を見ても読むことさえできないし、あなたたちが喋っている日本語も全然理解ができない。だから、自分の歌詞がどうやって日本語に翻訳されているのか、一瞬だけでも日本人の脳味噌になって読めたらいいなって思うんだけど……(笑)。
それに、詩って翻訳するのが難しいのよね。ただ機械的に翻訳をかけただけじゃ、そこに込められた意味や想いがきちんと伝わらないから」