数々の名曲と最後の晴れ姿を収めたラスト・アルバムが一瞬の輝きを永遠に変えるネッサンス!!

 50年代から2010年代まで、それぞれの時代を彩ってきた〈名曲〉を、現代のかたちの歌とダンスで表現する〈名曲ルネッサンス〉を主軸として活動してきたアイドル・グループ、アイドルネッサンス。

 2017年2月24日の解散ライブをもって3年8か月の活動を終えた彼女たち。これまでファンを惹きつけてきた名曲ルネッサンスの集大成であるラスト・アルバム『アイドルネッサンス』が、彼女たちの結成記念日である5月4日にリリースされる。

アイドルネッサンス アイドルネッサンス T-Palette(2018)

 2014年5月のデビューと共に披露したBase Ball Bear“17才”が話題を呼び、アイドル・ファン投票によるイヴェント〈アイドル楽曲大賞〉にてその年の1位を獲るなど、いち早く注目を浴びた彼女たち。その翌年T-Paletteに所属してからは、“YOU”“夏の決心”(オリジナルは共に大江千里)、“Funny Bunny”(the pillows)、“君の知らない物語”(supercell)をリリース。

 その10代の少女ならではの繊細さとフレッシュさを併せ持った歌唱力やダンスといったパフォーマンスも高く評価され、Zepp DiverCity(TOKYO)やディファ有明でワンマン・ライヴを開催したほか、2017年夏には日本最大のアイドル・フェス〈TOKYO IDOL FESTIVAL〉の象徴的なステージである〈SMILE GARDEN〉にて3日間の大トリを取るまでに成長。また、同じ2017年に発表した初のオリジナル曲を収めたミニ・アルバム『前髪がゆれる』に収録された“前髪”は、TVの音楽番組「関ジャム 完全燃SHOW」で紹介され、広く話題を集めた。

 今回登場するラスト・アルバムは、〈名曲ルネッサンス〉としてこれまで発表してきたCDや配信音源、オムニバス収録曲を完全収録。収められた曲は大滝詠一や原田真二、岡村靖幸にTM NETWORK、最近のアーティストではKANA-BOONやUNISON SQUARE GARDENと、そのジャンルは幅広くもアイドルネッサンスの色で統一されている。

 彼女たちが心を傾けてきた〈名曲ルネッサンス〉も、デビュー当初は〈普通のカヴァーとどう違うの?〉という声が聞かれた。しかし実際に聴いてみると、原曲とはまた違った刺激や化学反応が起きていることに気付かされる。

 代表曲の“17才”は、ティーンエイジの一瞬を切り取ったようなオリジナルの瑞々しさはそのままに、アイドル・ソングとしての愛らしさや楽しさといった新たな一面を見せつける。村下孝蔵の“初恋”は打ち込みによる現代的なアレンジを加えつつも、少女たちの声の連なりで遠い学生時代の情景がいっそう浮かぶような曲に。

 また岡村靖幸の“あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう”や東京スカパラダイスオーケストラ×ハナレグミの“太陽と心臓”はいずれも個性的なヴォーカリストによる名曲だが、10代にしか出せない若々しい命の息吹のような声を得たことで、原曲以上に清々しい曲に生まれ変わっている。

 〈名曲ルネッサンス〉に選ばれた多くの曲が、その時代の青春を彩った歌だ。アイドルネッサンスのスタッフが曲を選ぶ時の基準に「メンバーが理解できなかったり、共感できなそうな曲は選ばない」というものがあり、メンバーは入念に歌詞を読み込むなど、ただの借り物にしない力の入れ方があった。そんな楽曲をまさに青春真っ只中の彼女たちが歌うことで〈青春×青春=青春の二乗〉ともいうべき爆発力を持ったのがアイドルネッサンスというグループだった。

 ラスト・アルバムには最後の〈名曲ルネッサンス〉となる“changes”(Base Ball Bear)を新録したCD2枚組の楽曲集に加え、Blu-ray Discにはラスト・ワンマン・ライヴ〈ヨコハマで感謝するネッサンス!!〉の模様を収録。大歓声に迎えられての1曲目“ミラクルをキミとおこしたいんです”(サンボマスター)から、観客との大合唱を起こしたアンコール曲“17才”まで、最後に立ち止まるのではなく、ゴールの先までトップスピードで駆け抜けた8人。この3枚組には、永遠に残る名曲と、アイドルという一瞬の輝きが生み出した奇跡が収められている。