アイドルネッサンス
待望のアルバムが完成! ここから新たな旅が始まルネッサンス!
〈名曲ルネッサンス〉をテーマに掲げ、設立40周年を迎えたソニー・ミュージックアーティスツが立ち上げる初のアイドル・プロジェクトとして、2014年に結成されたアイドルネッサンス。純白の制服に身を包んだ彼女たちがステージで披露する50曲以上のレパートリーはすべてが邦楽のカヴァーで、古今の名曲を〈ルネッサンス〉することでカラフルな世界を見せていくという活動を一貫している。
――アイドルネッサンスは、まずそのコンセプトからしてユニークで。
新井乃亜「〈名曲ルネッサンス〉というコンセプトも、最初はよくわかってなくて(笑)」
比嘉奈菜子「いろいろな時代の、いろいろなジャンルの曲をカヴァーさせていただいているので、知らない曲を知ることができて楽しいですね」
――むしろ知らない曲のほうが多いよね?
百岡古宵「そうですね。お母さんに〈今度この曲やるよ〉って言ったら会話が弾むし、お母さんの当時の思い出などが聞けます」
宮本茉凜「家で練習してたら、お母さんが〈その曲大好きだったの!〉とか、みんなそういうエピソードはあるよね」
石野理子「カヴァーさせていただいてから興味を持って、そのアーティストさんの他の作品を自分たちでどんどん探っていったりすることも多いので、この活動を始めてから同世代の人たちよりも深い音楽体験ができてるなって思います」
南端まいな「いままでは、ただ好きって思いながら曲を聴いてたんですけど、この活動をするようになってからは、〈すごいな、音楽ってこういう表現もできるんだ〉とか、そういう聴き方をするようになりました。歌詞に〈好き〉っていう言葉が出てこなくても、その気持ちが伝わるものがあったり、歌っていて涙が出るぐらい感動することもあるんです」
そんな6人から届いた待望のファースト・アルバム『アワー・ソングス』。2014年夏のデビュー・シングル“17才”など一般流通のなかった初期シングルを含む既発曲に、2月のワンマンで初披露したばかりの“ベステンダンク”など初音源化の新録ナンバーを加えた全15編から成る本作は、原曲のニュアンスを大切にしながら新たな煌めきが注ぎ込まれた名曲群、それらをパフォーマンスすることで磨かれていった彼女たちのポテンシャルを十二分に感じることのできる内容だ。
理子「ファースト・シングルの“17才”から最新シングルの“Funny Bunny”までは一切手を加えてない、当時出したままの音源なので、これまでの成長をドキュメントしていくような一枚でもありますね」
奈菜子「私たちの歌い方も変わってきているので、そこにも注目していただきたいです」
茉凛「私はCDでアルバムが出せるのが嬉しいし、ワクワクします。プレイヤーに入れて再生ボタンを押す瞬間がもう……!」
乃亜「形に残ると、例えば中学生の頃に聴いてたCDとかが棚の奥から出てきた時に、〈あー、この曲聴いてた頃あんなことしてたなー〉って懐かしい気分になれたりしますよね。形に残ると想い出も残るので、すごくいいことだなって思う」
――皆さんのそういう意識も〈名曲ルネッサンス〉の活動があったからこそ芽生えたものかも知れないですね。ところで、今回の『アワー・ソングス』では“ベステンダンク”など初レコーディングのカヴァーもいくつかありますが、歌っていての発見や、新鮮だった部分はどんなところでした?
乃亜「“ベステンダンク”は、自分が想像していたのとまったく違った音源になりました。もっと熱い感じになるかなと思ったんですけど、やさしい感じでキラキラした音源に仕上がっているので、そこがイイなあって」
茉凛「なんかさ、穏やかな川の近くで聴きたいよね(笑)」
理子「原曲には入ってないコーラスもレコーディングの場でやってみたりして。コーラスって他のアイドルさんがあまりやらない部分だったりもするので、そこも私たちの魅力として注目してほしいです」
古宵「“STILL LOVE HER(失われた風景)”は、オリジナルを初めて聴いた時に曲の捉え方が難しかったんです。でも、アレンジしていただいて、実際に歌ってみたら、こういうふうに歌えばいいんだっていうのがわかって。レコーディングの時と出来上がってからで、曲の印象が変わっておもしろかったです」
理子「“Yeah! Yeah! Yeah!”は声の明るいメンバーが出だしを歌ってたり、それぞれの声質に合わせた歌割が多かったりしますね」
乃亜「曲がどう化けるかっていうのは声によるところも大きいだろうし、私たち一人一人の声質を大事にしてもらっている感があって、うれしいです」
奈菜子「歌割は声質だけじゃなくそれぞれのキャラクターも含めてスタッフさんが考えてくれているので、そういう意味では等身大に近い自分たちが収まっているんじゃないかなって思います」
乃亜「自分からリクエストすることもあるんですよ、ここのフレーズが歌いたい!って(笑)」
古宵「“STILL LOVE HER(失われた風景)”の〈12月の星座が一番素敵だと僕をドライブへと誘った〉っていう歌詞が素晴らしくって、そこ歌いたいなあって思ってたんですけど、それが自分のパートになって!」
乃亜「“Yeah! Yeah! Yeah!”の〈僕らの時間に無駄なんてないよ/立ち止まったあとの一歩で/未来をちょっとだけ変えてみてよ〉って、ここ私になったんですけど、その時は〈うぉー!〉ってなりました(笑)」
まいな「“金曜日のおはよう”に〈8:00 2車両目お気に入りの特等席〉っていう歌詞があって、私も学校に行く時の電車でお気に入りの特等席があるんです。だから、歌に気持ちを出しやすかった」
古宵「まいなが歌うことで乙女度も増すしね!」
――そうやってカヴァー曲だけで立派なエンターテイメントを築き上げているアイドルネッサンスですが、オリジナルをやりたい!という欲求はありますか?
奈菜子「いまの活動が本当に楽しいので、オリジナルをやりたいっていう気持ちが頭をよぎったことはないんです」
理子「カヴァーさせていただく曲のタイプもだんだん幅広くなってますし、それって私たちの表現力とか歌詞の飲み込みとかがちょっとは成長したからなのかなって思っていて。なので、これからも名曲をルネッサンスし続けて、いろんな方々から興味を持ってもらえる存在になりたいですね」