夏を舞踏するKOTOが箱レコォズからニュー・シングルをリリース!

3人組に新生したばかりのじゅじゅ、これまたトリオで動きはじめたエレクトリックリボン、別掲のHauptharmonie、そしてリナチックステイト……と、ユニークな顔ぶれが特徴的な作品を生み出し、ここにきてレーベル・カラーを明瞭にしつつあるのがタワレコの箱レコォズです。そこに続くのが、このKOTO。第4弾アーティストとしてレーベル入りの発表のみ先行していた彼女が、いよいよ箱レコォズからの初シングル“舞踏遊戯”をリリースすることと相成りました。
とはいえ、彼女がもう一定の認知を得る存在なのはご存知の通り。小学生の頃から始めたダンスのスキルを背景にして2012年に歌手デビューしたKOTOは、音楽的にもバンド結成など多様な試みに乗り出し、モデルとしても活動している異色の実力派です。昨年は佐々木喫茶(レコライド)との楽曲を集めた初のフル・アルバム『プラトニックプラネット』を発表し、今年はライヴ会場限定で『てうりべすとあるばむ』もリリース済み。このたび登場する“舞踏遊戯”は、久々の全国流通シングルとなります。
すでにユニークでかわいいMVも公開されている表題曲は、佐々木喫茶と組んだダンサブルかつオリエンタルでアッパーなエレポップ・チューンになっています。また、『プラトニックプラネット』以降に佐々木と制作し、6か月連続で会場限定リリースしてきた“おとこのこちゃん”から“ゆかいなぼくら”までの楽曲を、3タイプのそれぞれに2曲ずつカップリング収録しているのもポイントでしょう。
この夏にはダンサーとして出演経験もあるTIFのステージをはじめ、目にすることのできる機会も多そう。そのパフォーマンスに目と耳を奪われることは必至です。
アイドルネッサンス、8人の新しい物語

6月のイヴェントで新体制をお披露目した〈アイドルネッサンス部〉——昨年11月より始動していたアイドルネッサンス候補生から新たに原田珠々華と野本ゆめかの2名がアイドルネッサンス本隊に加入し、同じく候補生だった7名+アイドルネッサンスの宮本茉凜が兼任する形で新グループのAIS(アイス)を結成。……とか書いてるうちに、新生アイドルネッサンスから初めてのシングル“君の知らない物語”が届いたのです!
瑞々しいファースト・アルバム『アワー・ソングス』から4か月ぶりとなる今回のシングル、表題曲は2009年にヒットしたsupercellのナンバー。原曲ではnagi(やなぎなぎ)が歌っていましたが、可憐なコーラスと厚みのあるハーモニーを8人で聴かせるこちらはグループの新章に相応しい物語性を帯びた感動的な出来映え。カップリングでは渡辺美里の“夏が来た!”(91年)とスキマスイッチ“トラベラーズ・ハイ”(2013年)を披露。少し背伸びして〈もう友達じゃないきみ〉を想う前者、無邪気な旅路を思わせる後者、いずれも去年の夏とは同じじゃない彼女たちの現在を映し出してくれるはず。AISと出演するTIFも挿んで初のツアーを敢行中の8人、その先にはまた新しい世界が広がっていることでしょう!
RYUTistの楽しいニュー・アルバムがこの夏きっての大傑作です、マジで!

4月より横山実郁が加入した新体制となり、デビュー5周年を間近に迎える新潟のRYUTist。つい先日には南波一海の主宰する新レーベル=PENGUIN DISC入りも発表されたばかりですが、それに先駆けて登場したセカンド・アルバム『日本海夕日ライン』は、昨年のヤバい初作『RYUTist HOME LIVE』を凌ぐ、とんでもなく高品質なアルバムに仕上がってきましたよ!
ライヴのセトリを模した前作に対し、今回は地元を臨む日本海をテーマに据え、屈託なく過ごす夏の一日を時間の流れと共に一枚で描ききったような構成になっています。大風呂敷のファンタジーではなく自然と心象を素朴に綴り、どこかで味わったことのあるノスタルジーにも近い感情を喚起する楽曲が揃っていて、平たく言ってしまえば名曲のつるべ打ち状態! 中身についてはP64もご覧いただくとして、ポップスの粋を自然体で極めたアレンジ、グッと胸を掴む美しいメロディー、そしてメンバー個々のピュアな歌唱表現が縦横に絡み合い、大らかで爽やかな音風景を織り上げているのです。控えめに言っても、これは余裕で今年のベスト・アルバム候補なのでは……とか書いておきたくなる感じ。何回も聴いてます。
今年の夢みるアドレセンスはカワイイだけじゃない!

〈カワイイだけじゃダメなんですか!?〉と不敵に謳い出したあたりから、逆に〈それだけじゃない〉サムシングを周到に押し出してきている、夢みるアドレセンス。今年はオカモトショウ(OKAMOTO'S)のペンによるリア充チューン“舞いジェネ!”、志磨遼平(ドレスコーズ)作の流麗なディスコ“おしえてシュレディンガー”というダンサブルな快音の連弾で、曲の良さをいきなり際立たせてきた印象でした。で、そこから短いスパンで叩き込むニュー・シングル“Love for you”ではあのMINMIとのコラボが実現。これがまたイイ感じの好曲群に仕上がってるのです。
ちょうど自身のニュー・アルバムもリリースするMINMIですが、表題曲は彼女らしいソカのビートをドリーミーな音像で包んだ優しい感触のナンバー。ウォブリーなパートでのKOHH系のラップも良いです。カップリングの“リーダーシップ”はエレクトロ・スウィング風の下世話なダンス・トラックで、MINMIらしいギリギリの言葉遣いが、子ども的な〈セクシーさ〉とは別の境地へ5人を招き入れるかのよう。それでいて、曲がイイだけじゃないから……いまの夢アドは強い!
大型ルーキー、マジカル・パンチラインがデビュー!

TIFといえばアイドリング!!!が昨年までの看板アクトだったわけですが、その卒業生のなかでもいち早くアイドル活動の続行を熱望していたのが〈さとれな〉こと佐藤麗奈でした。2013年に34号としてアイドリング!!!に加入した彼女は、そのお洒落なキュートさが愛されて現在「めざましテレビ」など地上波のTV番組でも活躍し、青年誌のグラビアでも支持される一方、女性ファッション誌「LARME」と「ラブベリー」のレギュラーモデルも務めるなど、活動は順風満帆ですが、それでも彼女はアイドルを続けたかったのですね。
そんな佐藤と思いを同じくするのは、オーディションで選ばれた13~18歳の4名。今年の始めにグループ名も発表し、2月から正式にスタートしたのがこのマジカル・パンチラインであります。夏に合わせてお目見えした処女作『MAGiCAL PUNCHLiNE』は、6曲入りのミニ・アルバム。サウンド・プロデュースはアニメ関連からでんぱ組.incまで多くの作品を手掛けるTom-H@ckが担当し、〈魔法〉というグループのコンセプトに則って盤石の手捌きを見せてくれます。まだまだこれから、されど風格十分な大物ルーキーの飛躍に期待しましょう。
sora tob sakanaはどこまで飛ぶ?

ハイスイノナサなどで活躍する照井順政がプロデュースを手掛け、ポスト・ロックやエレクトロニカなどを咀嚼したアヴァンな色調のポップ・サウンドで楽しませてくれるsora tob sakana。2014年に結成され、その後FUJIYAMA PROJECT JAPANからデビューを飾った4人組グループです。ちょうど1年前にファースト・ワンマンを敢行し、初のシングル“夜空を全部”をリリースしたあたりから定期公演もスタートして独特の魅力をじわじわと広めていますが、このたび結成2周年を迎えるにあたって待望のアルバム『sora tob sakana』がリリースされました。
トラックだけでも機能しそうな無機質な演奏と、オーガニックな平熱の生命力を注ぐ歌声のタイトな絡みがこのグループの音楽的な気持ち良さですが、今回はシングルなどで公開済みの既存曲も再録するなどの手を入れているようで、単なる〈全部入り〉に終わらないこだわりが頼もしい。DALLJUB STEP CLUBのメンバーらも援護していて、より広い嗜好の人にも試してほしい良品になっています。





