コラム

箱レコォズ発の異色実力派KOTO、名曲つるべ打ち状態のRYUTistなど、TIF出演アクトのニュー・リリースをまだまだ紹介

【ZOKKON -candy floss pop suite-】 第56回 Pt.3

夏を舞踏するKOTOが箱レコォズからニュー・シングルをリリース!

 3人組に新生したばかりのじゅじゅ、これまたトリオで動きはじめたエレクトリックリボン、別掲のHauptharmonie、そしてリナチックステイト……と、ユニークな顔ぶれが特徴的な作品を生み出し、ここにきてレーベル・カラーを明瞭にしつつあるのがタワレコの箱レコォズです。そこに続くのが、このKOTO。第4弾アーティストとしてレーベル入りの発表のみ先行していた彼女が、いよいよ箱レコォズからの初シングル“舞踏遊戯”をリリースすることと相成りました。

KOTO 舞踏遊戯 箱レコォズ(2016)

 とはいえ、彼女がもう一定の認知を得る存在なのはご存知の通り。小学生の頃から始めたダンスのスキルを背景にして2012年に歌手デビューしたKOTOは、音楽的にもバンド結成など多様な試みに乗り出し、モデルとしても活動している異色の実力派です。昨年は佐々木喫茶レコライド)との楽曲を集めた初のフル・アルバム『プラトニックプラネット』を発表し、今年はライヴ会場限定で『てうりべすとあるばむ』もリリース済み。このたび登場する“舞踏遊戯”は、久々の全国流通シングルとなります。

 すでにユニークでかわいいMVも公開されている表題曲は、佐々木喫茶と組んだダンサブルかつオリエンタルでアッパーなエレポップ・チューンになっています。また、『プラトニックプラネット』以降に佐々木と制作し、6か月連続で会場限定リリースしてきた“おとこのこちゃん”から“ゆかいなぼくら”までの楽曲を、3タイプのそれぞれに2曲ずつカップリング収録しているのもポイントでしょう。

 この夏にはダンサーとして出演経験もあるTIFのステージをはじめ、目にすることのできる機会も多そう。そのパフォーマンスに目と耳を奪われることは必至です。

 

アイドルネッサンス、8人の新しい物語

 6月のイヴェントで新体制をお披露目した〈アイドルネッサンス部〉——昨年11月より始動していたアイドルネッサンス候補生から新たに原田珠々華野本ゆめかの2名がアイドルネッサンス本隊に加入し、同じく候補生だった7名+アイドルネッサンスの宮本茉凜が兼任する形で新グループのAIS(アイス)を結成。……とか書いてるうちに、新生アイドルネッサンスから初めてのシングル“君の知らない物語”が届いたのです!

アイドルネッサンス 君の知らない物語 T-Palette(2016)

 瑞々しいファースト・アルバム『アワー・ソングス』から4か月ぶりとなる今回のシングル、表題曲は2009年にヒットしたsupercellのナンバー。原曲ではnagiやなぎなぎ)が歌っていましたが、可憐なコーラスと厚みのあるハーモニーを8人で聴かせるこちらはグループの新章に相応しい物語性を帯びた感動的な出来映え。カップリングでは渡辺美里の“夏が来た!”(91年)とスキマスイッチ“トラベラーズ・ハイ”(2013年)を披露。少し背伸びして〈もう友達じゃないきみ〉を想う前者、無邪気な旅路を思わせる後者、いずれも去年の夏とは同じじゃない彼女たちの現在を映し出してくれるはず。AISと出演するTIFも挿んで初のツアーを敢行中の8人、その先にはまた新しい世界が広がっていることでしょう!

 

RYUTistの楽しいニュー・アルバムがこの夏きっての大傑作です、マジで!

 4月より横山実郁が加入した新体制となり、デビュー5周年を間近に迎える新潟のRYUTist。つい先日には南波一海の主宰する新レーベル=PENGUIN DISC入りも発表されたばかりですが、それに先駆けて登場したセカンド・アルバム『日本海夕日ライン』は、昨年のヤバい初作『RYUTist HOME LIVE』を凌ぐ、とんでもなく高品質なアルバムに仕上がってきましたよ!

RYUTist 日本海夕日ライン RYUTO(2016)

 ライヴのセトリを模した前作に対し、今回は地元を臨む日本海をテーマに据え、屈託なく過ごす夏の一日を時間の流れと共に一枚で描ききったような構成になっています。大風呂敷のファンタジーではなく自然と心象を素朴に綴り、どこかで味わったことのあるノスタルジーにも近い感情を喚起する楽曲が揃っていて、平たく言ってしまえば名曲のつるべ打ち状態! 中身についてはP64もご覧いただくとして、ポップスの粋を自然体で極めたアレンジ、グッと胸を掴む美しいメロディー、そしてメンバー個々のピュアな歌唱表現が縦横に絡み合い、大らかで爽やかな音風景を織り上げているのです。控えめに言っても、これは余裕で今年のベスト・アルバム候補なのでは……とか書いておきたくなる感じ。何回も聴いてます。

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