メイエ、パユ、ルルーら当代随一の管楽器奏者たちによって結成されたアンサンブル、レ・ヴァン・フランセ。管楽器の名作というのはフランス近代のイメージが強いものだが、今回はもうひとつの黄金時代、18世紀後半から19世紀初頭にかけて、特にパリで花開いた華麗な協奏交響曲の世界をテーマとしている。モーツァルトのK.297bがウェンドリング、プントといった当時の4人の名手のために書かれたとされているように、このジャンルの魅力は一流のソリストたちによる夢の協演にある。彼らがこれらの作品に取り組むのはまさに必然であり、その演奏は現代における理想形といって間違いないだろう。