2017年のオリジナル・アルバム以降の楽曲をまとめた作品集。自身の企画展の音楽、Spotifyで配信されたドレイク“Passionfruit”のカヴァー、“悪くない。この感じ”など7インチのB面曲、ハイエイタス・カイヨーテや坂本龍一らが再構築したナンバーなどをコンパイルし、『Mellow Waves』の揺らぎ&メロウネスから広がる世界を提示している。静謐と轟音が同居する新曲“Sonorama 1”には次のフェイズに入った気配も。
昨年リリースの約10年ぶりオリジナル作『Mellow Waves』前後に発表されたCD未収録曲集。Technics社のターンテーブルを買うと期間限定で手に入った非売品LPの収録曲“Audio Check Music”や、〈AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展〉のテーマ・ソングで同展でのみ販売された7インチの収録曲“Audio Architecture”“Audio Architecture(Studio Live)”、ダウンロード限定やSpotify限定のトラック、雑誌の付録コードでダウンロードできた楽曲など、レア・トラックがギッシリ。また、後半のリワークものにはハイエイタス・カイヨーテや細野晴臣、坂本龍一など豪華な面々が参加している。とはいえ、リミックス集〈CM〉シリーズや2015年の外仕事集『Constellations Of Music』よりも一定のトーンで統一されており、それだけ『Mellow Waves』の持つトーンの強さが伺える。『Mellow Waves』が投じた一波が、文字通り波紋(=Ripple Waves)のように広がってさまざまな楽曲に生まれ変わっているのがおもしろい。