打楽器を主眼とした器楽編成や電子音楽を取り入れ新たな音響世界を切り拓いた巨人、エドガー・ヴァレーズだが、彼の人物像を詳しく知っている人は少ないのではないだろうか? 波乱万丈な人生は少々ドラマチックとも思えるが、綿密な取材/調査に裏付けられた紛う事なき事実。また常識や通例を疑った新説も強い説得力を持って呈示され、この作曲家の表裏に触れられる。小説の如く読み進められる面白さを湛えつつも、創作の経緯から音楽界への関わり・影響も詳細に描かれている。日本発・沼野雄司による唯一にして最大のヴァレーズ評伝、堂々の誕生である。
沼野雄司 「エドガー・ヴァレーズ 孤独な射手の肖像」 音響世界を切り拓いた巨人に迫る評伝
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