Mikiki編集部のスタッフ4名が〈トキめいた邦楽ソング〉をレコメンドする週刊連載、〈Mikikiの歌謡日!〉。更新は毎週火曜(歌謡)日、数無制限でNEWな楽曲を軸に、たまに私的マイブームも紹介していくので、毎週チェックしてもらえると思いがけない出会いがあるかもしれません◎ *Mikiki編集部
【田中亮太】
TENDRE “SIGN”
人気を博すソウル・シンガーの春めいた新曲は、VIDEOTAPEMUSICがMVを監督。BPM115で刻まれるビートのうえでハープやホーンが華やかに舞うさまは超ゴキゲン、yurinasiaみたいにダンスできそうな気分になっちゃいます。とりあえず本日は花柄のサンダルで出社してみました。Tevaではないけれども。
錯乱前線 “カレーライス”
最近よく名前を見る錯乱前線。平均年齢20歳、都内を中心に活動している5人組だそうです。ヒョロヒョロの手足を曲げ、不格好なフォームで全力疾走する1分18秒の高速カウ・パンク。思わず、嵐を裂いてゆけと声援を送りたくなる一方、メンバーのヤング&プリティーなムードにはテムズ・ビートの若者たちを重ねましたよ。
【高見香那】
SIRUP “Pool”
5月29日(水)リリースの待望のファースト・アルバム『FEEL GOOD』の冒頭曲となる超ゴキゲンなR&Bチューン。久保田利伸みたい!な貫禄の歌いっぷりにシビれます。『FEEL GOOD』でいよいよ本格的なブレイクとなりそうなSIRUPさん。今年はこれをさまざまな場面で耳にしそうです。
【酒井優考】
赤い公園 “HEISEI”
楽曲は未リリース、動画などでも未発表ながら、先日まで行われていた平成最後のツアーで1曲目に演奏されていた新曲。秒針を刻むような始まりのベースと終わりのギター、〈らーららーららー〉という何度も登場するスキャット、サビ前での赤い公園らしい不思議な転調が印象的で、ライヴ中は歌詞をあまり聴き取れなかったけれど、リーダー津野のツイートによればサビは〈See you Goodbye loved, HEISEI/思い出の日々は君にたくした〉と歌っていたとのこと。もう二度と時代は戻らないのに〈See you=またね〉という表現をしているところに胸がかゆくなっちゃうな。音源化が待たれます。平成ありがとう。
日食なつこ “vapor”
1月リリースの傑作『永久凍土』より、主題歌でもある映画「テロルンとルンルン」の映像を使用したMVが先日公開。感情と天候を紐づけた歌詞は数あれど、もやっとした気持ちを〈雨粒にして降らすまでもない〉と〈霧雨〉に喩えたのは素晴らしい表現だと思いました。
U-zhaan & Ryuichi Sakamoto feat. 環ROY × 鎮座DOPENESS “エナジー風呂(Energy Flo)”
動画のコメントに〈これぞ、神々の遊び。〉ってあったけど、まさにそれ。思わず脱力して笑ってしまいそうな雰囲気に、教授のギターや謎の金属音(プリペアド・ピアノ?)がピリリと緊張感のスパイスを加える。
【天野龍太郎】
Mega Shinnosuke “桃源郷とタクシー”
Mega Shinnosukeは2000年生まれ(!)、まだ18歳のシンガー・ソングライターで、ミュージック・ビデオ“O.W.A.”のバズで知られるようになった。……というのは資料的な説明だけれども、作詞作曲編曲をすべてみずからこなすそのDIY的なセンスたるや、すごいものがある。そもそもプロフィールに〈2017年秋より楽曲制作をスタート〉と書いてはあるものの、それでどうしてこれほど巧みでウェルメイドな曲を作ることができるのだろう……。ファンキーな意匠のなかにロック的なギターやパーカッシヴなピアノのリフレインが時折顔をのぞかせるこの“桃源郷とタクシー”は、ゲスの極み乙女。のサウンドを彷彿とさせる一方、〈2019年版岡村靖幸〉といったような趣も。AAAMYYYY(Tempalay)がさりげなく添えるコーラスもフレッシュ。“桃源郷とタクシー”が収録される初の流通盤『HONNE』は6月5日(水)にリリースされる(タイトルはあのロンドンのバンドへのオマージュ?)。