もっと伸びやかに、よりモダンに、さらに色鮮やかに進化を続けるキュートな才能から、成長とチャレンジを詰め込んだ久々の新作が到着!!

 エレクトロ、EDM、ハウスなどを採り入れたトラックとポップなメロディーを軸にした楽曲と、キュートなヴィジュアルや高いファッション性で存在感を放ってきた仮谷せいらが、約3年ぶりの新作ミニ・アルバム『Cover Girl』をリリース。表題曲はAbemaTV「第2次Popteenカバーガール戦争」(11人の女性モデルがファッション誌のカヴァー・ガールをめざすヴァラエティー番組)の主題歌として制作されたポジティヴ&カラフルなダンス・チューンだ。

仮谷せいら Cover Girl PUMP!(2019)

 「シーズン1の主題歌が“Colorful World”(2016年作『Colorful World』収録)だったこともあって、番組は以前から見ていたんです。番組ではモデルちゃんたちが一番をめざしてがんばっているんですけど、この曲は〈みんなが一番なんだよ〉という応援歌にしたくて。それが最後のフレーズ〈Everybody is Cover Girl〉に繋がっているんですよね。私自身も競争は苦手で、〈平和がいいな〉というタイプなんです(笑)。好きなことを一人でコツコツ続けるのがいいなって」。

 エレクトロ、ディスコ、ネオ・ソウルなどのテイストを織り交ぜたサウンドに加え、煌びやかな光を放つヴォーカルも魅力的。先鋭的なトラックメイクと間口の広いポップスの絶妙なバランス感覚は、本作全体のコンセプトと言えるだろう。

 「すごくキラキラしているアレンジだし、低音もしっかり出ているのが新鮮でしたね。ライヴハウスやクラブでかけても、イイ感じに盛り上がってもらえると思います」。

 2曲目の“ZAWA MAKE IT”(読み:ザワメキ)はフューチャー・ベースを全面的に採り入れたトラック。昂揚感に溢れたメロディーライン、〈ずっと触れられないなら 意味がないのに〉という切ない情感に満ちたリリックからは、彼女の少し大人になった表情が伝わってくる。

 「“ZAWA MAKE IT”は1年くらい前からライヴでも披露していて、すごく反応があるんです。去年の夏の野外フェスで歌ったときも、この曲が始まるとお客さんがパッと聴き入ってくれて。不思議な魅力を持った曲だなって思いますね。歌詞は〈大人の仮谷せいら〉という感じかも。いままでは明るくて背中を押すような歌詞が多かったんだけど、この曲にはネガティヴな要素だったり、どうにもならない気持ちも書いているんです。〈恵比寿駅のベンチ〉みたいなリアリティーのある言葉もあまり使ったことなかったし……ちょっと恥ずかしいですね(笑)」。

 3曲目の“しぶといLady”(先述した「第2次Popteenカバーガール戦争」の挿入歌)は、オルタナティヴR&Bの潮流を感じさせる楽曲。抑制の効いたAメロから一転、解放感のあるサビでビートが加速していく構成も刺激的だ。

 「途中でテンポが変わるアレンジは初めてだったから、歌っていて新鮮でした。レコーディングでも1曲で2曲分歌っているような感じがあって(笑)。〈Dancing Dancing〉って歌っているので、ライヴでも踊りながらパフォーマンスしたいですね。この曲の歌詞も番組をイメージして書いたんですが、〈しぶといLady〉って若干自分のことでもあるなと思っていて。小さい頃から音楽をやっているんですけど、どんなに大変なことがあっても、やっぱり好きでやめられないんですよね。この先も10年、20年としぶとく続けていくんだろうなって」。

 さらに「前作の頃からラップを採り入れた曲をやってみたくて、3年かかって実現しました。韻を踏んだ歌詞を書いたり、ラップを歌うのは難しかったけど、すごく楽しかったですね」という“What a day!”、レーベルメイトでもあるORLAND(3シンセ+1ドラムによるインディー・ポップ・バンド)の大澤智弘が提供した切なくも美しいオルタナ・ポップ・チューン“Orange Light”を収録。先鋭的にしてカラフルな仮谷せいらのポップ・ワールドをたっぷり体感できる作品に仕上がっている。

 「私もすごく気に入っていて、毎日狂ったように聴いてます(笑)。このCDで新曲が5曲増えたので、少し長めのショウもやってみたいですね。去年、初めてバンド・スタイルでライヴをやったのも楽しかったし、いろんな形で表現してきたいなって。いままではトレンドに疎かったんですけど、この一年くらい、新しい音楽を意識して聴くようになって。やりたいことも少しずつ増えているし、新しいことにも挑戦していきたいです」。