マッシモ・ビオルカティに替って、ラリー・グレナディアが参加、コンテンポラリーな個性で新旧のジャズファンを魅了するジェラルド・クレイトンはハイテンションで魅力だ。グレナディアのベースは、“響きと振動を捉えた録音”でオーディオファンをも魅了する。次々と現れる“New Chapter”系のプレイヤーにも通じる“ニュービート”でのクレイトンのプレイは2010年代末を改めて感じさせる。「リズムからビートへ」、そして、「グルーヴからウエイヴへ」、スイングの質が多層化してきた2000年代以降の流れが集約された。②⑧で見せる新感覚のスイング感に加えて③~⑤では遅い曲にもリリカルな魅力を感じさせてくれる。