コラム

リアム・ギャラガー『Why Me? Why Not.』 王道のままスケールアップした新作の魅力を紐解く

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あれから10年……あるいは25年……

 ノエル・ギャラガーの脱退に伴う解散から10年、さらには歴史的デビュー作『Definitely Maybe』の登場からちょうど25年(このたびアニヴァーサリー盤がヴァイナル・リリースされた)、そんな二重の節目にあたって何かを期待するのが人情だが、そう簡単にはいかない。昔ながらの舌戦も最近は子どもたちの代に受け継がれている模様ながら、いまもオアシスはその不在によって却って存在感をキープし続けている。堂々とオアシス感を湛えたリアムのソロ・デビュー作『As You Were』と、往時のスタイルを離れたノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズの2作目『Who Built The Moon?』が立て続けに登場した2017年の冬はいろんな意味での分岐点になったと言えるが(ちなみに揃って全英1位を獲得)、とはいえ近年はリアムとノエルがそれぞれライヴでオアシスの名曲をパフォーマンスし、ポジティヴな形でバンドの伝説を輝かせ続けていることも忘れてはならない。

 ついでに他メンバーの〈ポスト・オアシス〉を振り返っておくと……オアシスを後継したビーディ・アイでの活動を経て(こちらも解散から5周年だ)、アンディ・ベルは古巣のライドをパーマネントな形で再結成、復活後の2作目『This Is Not A Safe Place』を発表したばかりだ(25年ぶりの全英TOP10入り!)。一方、ビーディ・アイ後のゲム・アーチャーとクリス・シャーロックは、なんとノエル側のライヴ・メンバーとして揃って前線復帰を果たしている。さらに遡ったオリジナル・メンバーだと、99年にオアシスを脱退してパーラー・フレイムスを結成したボーンヘッドは、近年は国内のステージに限って時折リアムのライヴ・バンドに参加している。こうして各人が繋がり続けている限り……やはり何かを期待する声は絶えないのだろう。 *轟ひろみ