ラティーノを熱狂させたサルサ・バンド、35年目の安定と輝き
今年3月に配信されたデビュー曲“Salsa Caliente del Japón”のリハーサル動画が、Facebookで軽~く100万回再生超え。勢いそのままに10年ぶりの最新作を携え、〈光のオルケスタ〉デ・ラ・ルスが結成35周年を祝う。1984年、日本発・新世代サルサの狼煙を上げ、5年後に自力でNYツアーを敢行。たちまち一大センセーションを巻き起こし、国内・海外ほぼ同時にアルバム・デビュー。全米ビルボード・ラテン・チャート11週連続1位の快挙を成し遂げた。破格の成功劇から30年、意欲作『Gracias Salseros』は、世界中のサルサ好きへ感謝を込めて、バンドの〈再生〉を高らかに宣言する。
ORQUESTA DE LA LUZ 『Gracias Salseros』 キング(2019)
ん? 〈再生〉!? “La Cosa Buena”スペイン語版に、そんな一節がいきなり出てきて気になった。なぜ?
「私たちはもう一回生き返ったんだ。光は消えてないのよ!って主張したかった。97年に解散のニュースが大きく出て、残念がられて……ラテンの人たち、一回情報入るとなかなか抜けないでしょ。解散したままと思ってる人がまだ多いから、大事なメッセージなんです」と、不動のヴォーカルNORA。
これまで同様、NORAは主要ナンバーを書き下ろしているが、記念アルバムならではの考え抜かれた選曲バランスも魅力だ。彼らの歴史的ヒットと呼応する、現バンドの成果を楽しんで欲しいと言う。
「“Gracias Salseros”は、ラテンの人が大好きな2枚目の“Descarga de La Luz”。“Soy Sopera”は、“Salsa Caliente del Japón”とかのストレートなサルサ。“Azúcar Mambo”は、すっごい受けが良かった3枚目“Mambo de La Luz”へのオマージュ。“つぐない”は、日本で広まった“私はピアノ”……これはJINが、テレサテンえーんちゃう?って。“La Cosa Buena”は、ティンバっぽいキューバ色。今のカラーも入れたくて、ボレロも1曲。“さくらさくら”は、東京JAZZでオマーラ・ポルトゥオンドとの共演用にアレンジ。それにアカペラ部分、サルサ5(※メンバー5名のユニット)を入れて。あとセリア・クルースのトリビュートは絶対やりたいって、ずっと思ってたから」と、NORA。
トロンボーン相川等、ピアノ斎藤タカヤの編曲手腕に個性が横溢。50代鈴木喜鏤を筆頭に、40代、30代と絶妙〈三位一体〉のパワーバランスで、バンドに抜群の安定感をもたらすラテンパーカッション隊。20年余も一緒に歌い続けてきたJINとは、どっちの声か判らなくなるほどのシンクロ度らしい。すでに3作目までを務めたプロデューサー、セルジオ・ジョージが、海外ディストリビューションに名乗りを上げているそうだ。ワールドツアーの輝きよ、再び!
LIVE INFORMATION
オルケスタ・デ・ラ・ルス 35th Anniversary "Gracias Salseros"
2019年10月18日(金)東京・六本木 Billboard Live TOKYO
出演:オルケスタ・デ・ラ・ルス/塩谷哲、山崎まさよし(18日ゲスト)/大黒摩季(19日ゲスト)
オルケスタ・デ・ラ・ルス 35th Anniversary "Gracias Salseros" NORA's Birthday Special Night!!!
2019年10月28日(月)大阪・梅田 Billboard Live OSAKA
出演:オルケスタ・デ・ラ・ルス