ベートーヴェン生誕250周年を目前に新たなる決定盤が誕生!!
2015年のイザイ&J.S.バッハ、16年のモーツァルト、18年のブラームスといった名盤でもおなじみのヴァイオリニスト・千住真理子。この度、20年にベートーヴェンが生誕250周年を迎え、千住もデビュー45周年となるのを記念して、傑作ソナタ全10曲の録音に挑んだ。使用楽器は02年から彼女が所有する1716年製ストラディヴァリウス「デュランティ」。共演は巨匠・横山幸雄(p)という豪華な布陣が実現した!
「季節ごとに音色とコンディションを敏感に変えながら日々成長するデュランティと対話しながら、2~3年かけて温めてきた企画です。ベートーヴェンのクリアな音楽に向き合うと、逃げられないし、自分を隠し通せない。だから10~20代の頃は怖くてほとんど人前で弾いたことがなかったですね。横山さんは美しい音色とエレガントな音楽性が本当にすばらしく、今回の共演者は彼以外考えられませんでした」
当全集は、2枚組ずつ2度に渡ってリリース。10月23日にまず第1弾が発売され、1枚目に初期の第1~3番、2枚目に後期の第9番「クロイツェル」&第10番が収録されている。
「リサイタルのように楽しんでいただきたくて、1枚目は軽やかに聴きやすく、2枚目はたっぷりと聴き応えのある構成にしました。それに今回は秋のリリースなので、有名な第5番『春』よりも、季節感に合わせて第9番『クロイツェル』を軸にした選曲がいいと思って」
録音の様子を尋ねると次の答えが。
「6月に4日間のセッション録音を行ったのですが、湿度約40%の理想的な環境で集中して取り組めました。横山さんとは会話も少なく淡々と弾き続け、食事もほとんど摂らず(笑)。結果、全5曲を3日間で録り終えられて、最終日にランスルーでライヴのように演奏したものが今回の録音の軸になっています」
では、ずばり聴きどころは。
「初々しい第2番の第2楽章に宿る透明な悲しみと自我。“とにかくカッコよく”を意識して颯爽とスタイリッシュに弾いた『クロイツェル』。そして、冒頭から最後まで繊細な音色と柔和な歌い回しを追及した第10番ですね」
現在のライヴ本数は約100と多忙を極める中、趣味の水泳や食事の摂り方なども常にヴァイオリンのためを考えながらやっているという千住。その哲学的に自分を突き詰める生き方は、ベートーヴェンの音楽と人生に重なるようでもある。来春には、第5番「春」をメインに据えたベートーヴェン全集第2弾のリリースが予定されており、こちらも実に楽しみだ!!
LIVE INFORMATION
○10/30(水)19:00開演
【会場】熊本・熊本城ホール シビックホール
【曲目】ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第2番 他
【出演】千住真理子(vn)横山幸雄(p)
○12/22(日)17:00開演
【会場】福岡・ホテルオークラ福岡
【曲目】ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番 他
【出演】千住真理子(vn)横山幸雄(p)
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