INTERVIEW

吉岡里帆に人生を変えられた、South Penguinアカツカ復活までの道のり

South Penguin『Y』

Page 2 / 3 1ページ目から読む

他のエッセンスを入れることにためらいはなかった

――復活まで時間がかかったにせよ、『Y』は最高の仕上がりだと思いましたよ。それこそ、今回のアルバムに参加したメンバーは理想的な顔ぶれじゃないですか?

「そうですね。かれこれ10回くらいメンバー・チェンジしてきましたけど、いまは素晴らしいメンバーばかりでまったく不満がないです。あくまで演奏面の話で、人間性は欠落したメンバーが多いんですけど」

――類は友を呼ぶ?

「ちょっと待ってくださいよ(笑)。僕の本当の友達は別にいるんで。彼らはスタジオでしか会わない仕事仲間」

――どこまで本気かわからないけど(笑)、明らかにスキルアップしてるわけだし。

「そうですね、もっと早くやりたかったくらい。これまでは年上としかやってこなかったので、いまの年下しかいないメンバーとはスタジオでの進め方にかなり影響ありましたね。年下のほうがやりやすかったです」

South Penguin Y Pヴァイン(2019)

〈TOKYO SOUNDS『Music Bar Session』〉で披露した“alpaca”のパフォーマンス映像

――Mikiki的には、やっぱりニカホヨシオさん(キーボード)の参加が大きなトピックかなと。

「ナツノムジナの企画で、〈サポートを絶対に加えてライヴをする〉のがコンセプトだったイヴェントがあって。何かしらのエッセンスを与えるっていう。キーボードをやってるのは知ってたので、ニカホくんに声をかけたら出てくれて。そしたら意外と良かった。そこからですね」

※2017年3月2日、Waseda Music Recordsとナツノムジナが渋谷チェルシーホテルで共同開催したフリー・イヴェント『Atrium』のこと

――いまは彼がレコーディングの面倒を見てくれてるそうじゃないですか。

「そうですね。僕はコードや楽譜がわからないので。ドレミファとか、メジャーとかマイナーとかよくわからない(苦笑)。そういうところをクリアにしてくれてるのがニカホくんで、それ以外の悪いところも全部ニカホくんです。彼はホントに問題児なんですよ。口がめちゃくちゃ悪くて、他のメンバーも参ってると思います。彼と仲良くなれるかが一緒にやるための条件ですね」

――何はともあれ、今回のアルバムは最初の2曲にいきなり興奮しましたね。冒頭の“air”では、Dos Monosの荘子itさんのラップが炸裂しています。

「僕はラッパーに詳しくないんですよ。だからステレオタイプなイメージでオラオラしてたり怖いのかなと思ってたけど、荘子itさんはもっとナードな感じの男で。すごく物腰柔らかな人だと思ったら、ラップを聴いてギャップを感じましたね。歌詞はもう、インテリジェンスのお花が咲いてるような感じで」

――〈キミのパパとサシ飲みがしたい〉というラインがいいですね。South Penguinの世界観にぴったり。

「荘子itさんの頭の中を覗き見したような感じですよね。リリックのことはよくわからないんですけど、Dos Monosの音楽がカッコ良かったので、そこで一緒にやれたらと思って」

――『Y』ではこれまでと違うことをやろうという気持ちが強かった?

「そうですね。それこそ今作では、いろんな表現への理解、リスペクトが大事だと思ったので。アルバムの構想段階から、他のエッセンスを入れることにためらいが全然なかったし、むしろ積極的に取り入れていきたいと思ってました」

――2曲目“head”で山田光(hikaru yamada)さんが吹くサックスも、ジェイムズ・チャンスみたいで凄まじいですね。曲はトーキング・ヘッズの“The Great Curve”にそっくり。

「まったく新しくないですからね(笑)。僕もこの曲は入れていいのか迷ったんですよ、ちょっと毛色も違うし。スピードの速い曲はフザけて作ってることが多くて。この曲をリードにしようって話もあったけど却下しました。あまり思い入れのない曲ですね」

――そうなの(笑)? じゃあ思い入れのある曲は?

「“aztec”かな。いちばん最初に作った曲だから」

――チャレンジングな新機軸もあれば、“ame”“alaska”と過去曲のリメイクもある。そういう意味では集大成みたいな趣もありますね。

「そうですね。過去の作品もブラッシュアップしつつ、ファースト・アルバムと呼べるものになったかなと」

――7曲目の“spk”というタイトルを見て、3年前からまったく軸がブレてないなと思いました(笑)。

「そういう意味では音楽の趣味が変わってない。いまだにコナン・モカシンの話ばっかしてますからね(笑)」

――今年、来日公演で本人と会えたんでしょ?

「はい。5曲目の“idol”は、コナンに会ったことで生まれた曲なんですよ」

――え、そうなの?

「僕のアイドルはコナン。それこそAKBみたいなアイドルもいるけど、もともとアイドルって自分にとってのスターって意味じゃないですか。僕、昨日と翌日で全然違うことを言ったりするし、気持ちがコロコロ変わるんですけど、コナンはずっと変わらず尊敬しています」

関連アーティスト
TOWER DOORS
pagetop