UK新世代を牽引する才能として注目を集めてきたシンガー・ソングライター、アレックス・オコナーによるソロ・プロジェクトのレックス・オレンジ・カウンティ(以下、ROC)。2017年作『Apricot Princess』でのブレイクスルー以降、初となる新作のサード・アルバム『Pony』が遂にリリースされました。Mikikiでは先に『Pony』を読み解くクロス・レヴューを掲載しましたが、 今回はROCのキャリア初期から現在にいたるまでを、視聴すれば最後、オコナーくんを〈好きにならずにはいられない10本の映像〉で紹介。古今東西のインディー音楽に精通し、最近ではAVYSS magazineに寄稿した〈30 BEST BEDROOM POP ARTIST 2019〉も話題を集めていたライター/DJの中村義響が動画をチョイス。彼による動画の見どころ紹介とあわせてお楽しみください。 *Mikiki編集部

①Rex Orange County “10/10” Music Video(2019年)

まずは『Pony』のリード曲となったスウィートなブルーアイド・ソウル・ナンバー、”10/10”のミュージック・ビデオを再確認しましょう。甘やかなソングライティングとモダンなサウンド・プロダクションを融合してみせるROCの真骨頂的な名曲で、まさにタイトル通り10点満点のパーフェクト・ポップ・チューン。MVにも、ジェントルでチャーミングな彼のキャラクターがよく出ています。

 

②Strano Sessions #1: Rex “A Song About Being Sad”(2015年)

 

さて、では彼のキャリアを振り返っていきましょう。こちらは最初期、2015年5月にアップロードされたレックス名義の弾き語り動画。この頃のサウンドはローファイな宅録サイケデリック・ポップで、マック・デマルコのフォロワーといった感じ。文字通りのベッドルーム・ポップで、最近のスタジオ作品とは単純な比較ができないけれども、こちらも未完成の美学があって捨て難い。

 

③UPSTAGE Presents: Rex Orange County At The Barfly(2015年)

同じく2015年にアップされた動画をもう1本。レックスとコスモ・パイクの共演曲”Paradaise”をバックに、2人のインタヴューとカムデンにあるバーフライ(The Barfly)でのライヴ映像を収録。コスモ・パイクのモテキャラ感と、レックスのおぼこさが好対照。ブリット・スクールの学友でもあったこの少年たちが、今後それぞれに躍進を遂げるのだからドラマティックな話だ。