インタビュー

山下伶『Eternal Ensembles』 クロマチックハーモニカにしか出せない音色を求めて

山下伶『Eternal Ensembles』 クロマチックハーモニカにしか出せない音色を求めて

クロマチックハーモニカにしか出せない音色を求めて

 2016年にメジャー・デビューして以来、活躍の場は広がる一方。今年は長寿番組『題名のない音楽会』(テレビ朝日系)でも演奏し、年始に立てた“テレビ出演”の目標を実現させた。精力的にライヴを行い、毎年アルバムを発表しながらクロマチックハーモニカの可能性と奥深さを幅広い層に伝え続けている山下伶。楽器を手にして約8年、とにかく、プレイすることが好きでたまらないとチャーミングな笑顔で語った。

 「歌うのが大好きなんですが、実は音痴(笑)。だからハーモニカで歌えることが本当に幸せで」

山下伶 Eternal Ensembles Columbia(2019)

 タイプの違う4人のギタリストを迎えてレコーディングした新作『エターナル・アンサンブル』では楽曲によって“歌い方”を変えている。

 「ハーモニカを吹き出して約1年後ぐらいから共演し、心から信頼しているYUTAKA氏にはポップス・トラックをお願いしました。私自身はどちらかといえば固めな激しい音で演奏しています。ジャズの“いろは”を教えてくださり、今も2ヶ月に1回のペースでライヴをご一緒している田辺充邦さんとのジャズ・トラックでは艶っぽい音を出そうと心掛けています。レコーディングで初めてお会いしたボサノヴァ・ギタリストの第一人者、木村純さんとの録音では優しく軽やかな音色で。大学の先輩でもある山下俊輔さんからは“もっと強弱を”とアドバイスされ、他のジャンルとは違う雰囲気でクラシック・トラックを残せました」 以前からギターの音色に惹かれていた彼女は、ハーモニカとの親和性も実感、それが今作の制作へと繋がった。オリジナル曲も含むバラエティに富んだ全13曲を名ギタリストのプレイに触発され多彩に表現。

 「ハーモニカ愛好者だけでなく、ギター・フリークにも是非、聴いて欲しいです」。

 3歳から中1までヴァイオリンのレッスンに通い、その後、フルートを経てクロマチックハーモニカ奏者の道に進んだ彼女は寺井尚子(vn)の大ファンでもある。

 「クロマチックハーモニカはヴァイオリンと同じ4オクターブの音が出せるので、寺井さんのような情熱的で力強い音で吹きたいと思っていました。それは今も変わりませんが寺井さんと共演させていただいたことで私はハーモニカにしか出せない音を追求しようと、様々な音色を求めるようになったんです」

 ソウルで催されている〈国際ハーモニカ・フェスティバル〉では昨年に引き続き今年も審査員を務め、ゲスト出演したショーも大成功。

 「外国人プレイヤーとも親しくなりましたので、ハーモニカを通してより深い交流をしていきたいですし、海外でも演奏する機会を増やしたいと思っています」

 


LIVE INFORMATION

田中葵クリスマスコンサート2019
○12/15(日)Sala MASAKAサーラマサカ(東戸塚)

フリーリードのミューズたちが贈る音楽ファンタジー“くるみ割り人形”
○12/24(火)渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール

『Eternal Ensembles』発売記念ライブ
○2020/1/20(月)渋谷eplus LIVING ROOM CAFE&DINING
http://rei-yamashita.com/live/

TOWER DOORS