インタビュー

次なるアイコンはTAWINGS! 海外インディー好きを惹き寄せてきた3人が待望の初アルバムを語る

TAWINGS『TAWINGS』

次なるアイコンはTAWINGS! 海外インディー好きを惹き寄せてきた3人が待望の初アルバムを語る

 同じレコード・ショップで働いていたCony Planktonとeliyが出会い、そこにYurikaが加わる形で2016年に結成されたTAWINGS。これまでに7インチとカセットテープでシングルを発表し、レモン・ツイッグスやハインズのサポートを務めるなど、主に海外インディー好きの間で話題を呼んできた。2018年の〈SXSW〉出演後にメンバーが一人脱退し、現在は3ピースとして活動している。

 「宅録を始めたきっかけはYouTubeで見つけたグライムスのDIYなライヴ動画で、〈今、日本で自分がやりたいテイストの音楽をやってるガールズ・バンドはいないんじゃないか?〉と思って、女の子のメンバーを集めました。シャイだったので、女子高ムードでやりたいなっていうのもあったり(笑)。結成当初はダム・ダム・ガールズ、ピューロ・インスティンクト、セプテンバー・ガールズとかの話で盛り上がってましたね」(Cony)。

 ファースト・シングル『Listerine/Dad Cry』はポスト・パンク調、セカンド・シングル『Invisible/UTM』はガレージ・ロックと、音数を絞ったクールなアンサンブルや、アンニュイな雰囲気を特徴としてきたが、これはあくまでバンドの持つ一側面だという。

 「ファーストを作ったときはショッピングやBurghをよく聴いていて、セカンドを作ったときはオー・シーズが好きで、ちょっとひねくれたガレージをやりたくて。“UTM”はTAWINGSの一番コアな部分が出てる曲だと思います。ただ、私は雑食なうえに飽き性なので、作る曲のタイプが毎回全然違うんですよね」(Cony)。

 ファースト・アルバム『TAWINGS』は、2枚のシングル曲を含むこれまでの集大成的な作品になったが、Conyの言葉通り、新曲ではまた違った表情を見せている。先行で配信された“水仙(Suisen)”は流麗なメロディーとシンセが特徴で、Klan Aileenの松山亮が共同プロデュースとエンジニアで参加したこともあり、クラウトロック的なサイケ感も加わった。

 「優しい曲を書こうと思って作りはじめたんですけど、デモを作ってから録音するまでに1年くらいかかってて。その間にお婆ちゃんが亡くなってしまい、この優しいデモはお婆ちゃん宛に存在するのかなと思って、歌詞もそういう内容にしました。アレンジに関しては、結果的にシューゲイズっぽくなったんですけど」(Cony)。

 「ライヴではミュート具合を調整するくらいなのですが、松山さんやドラムテックの方を含めて音作りをみんなで相談し合って、曲ごとにスネアを変えたりしました。また、今回の制作から、ちゃんと自分の演奏と向き合えるようになってきました」(Yurika)。

 打ち込みのビートを用いた“POODLES”も印象的。そのポップな曲調はこれまでの3人のイメージをいい意味で裏切るものだ。

 「TAWINGSって名前からしてチアリーディングっぽいと思ってて、その感じを前面に出しました。私はもともとポップソングが好きで、これまでの曲にも根底にはポップに対する欲があったんですけど、このアルバムには私の変化がすごく表れてると思っていて。前は〈わかる人だけわかればいい〉という感じで、尖ってたというか、怒ってるくらいの勢いだったんです。でも、AAAMYYYとかLISACHRISの曲にフィーチャリングで参加したりして、いろんなアプローチの仕方を学んで……ちょっと丸くなったというか(笑)。最近は〈演奏してて楽しい〉とか、そういうことも意識するようになりました」(Cony)。

 「私もポップなのは大好きだけど、そのなかにひねくれてる感じ、ちょっと気持ち悪い感じがあるのがTAWINGSらしさかなって。ちょっと根暗っぽいところが居心地いいのかも(笑)」(eliy)。

 初期の集大成にして、今後の予兆も閉じ込めたファースト・アルバム。日本のインディー・ロック・シーンの新たなアイコンとして、さらなる大舞台に立つ日も遠くはないだろう。

 「今すでに次の岐路に立っているというか、方向性が3つくらい見えていて。また次の作品でも変わるんだろうなって、そんな予感しかしないです」(Cony)。

 


TAWINGS
Cony Plankton(ヴォーカル/ギター)、eliy(ベース)、Yurika(ドラムス)から成る3人組。2016年に結成、2018年にギタリストの脱退によって現体制となる。2017年5月に初の7インチ・シングル『Listerine/Dad Cry』を発表。“Listerine”は7月にリリースされたバーガーの国別カセット・コンピ『Burger World: Japan』にも収録される。2018年は1月にカセット・シングル『Invisible/UTM』を発表し、3月に〈SXSW〉へ出演。秋にはレモン・ツイッグスやハインズの来日公演でサポート・アクトを務める。ルー・リードのカヴァー“MAKE UP”、“水仙(Suisen)”“POODLES”などの先行配信曲に続き、このたびファースト・アルバム『TAWINGS』(AWDR/LR2)をリリースしたばかり。

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