Mikiki編集部のスタッフが〈トキめいた邦楽ソング〉をレコメンドする週刊連載、〈Mikikiの歌謡日!〉。更新は毎週火曜(歌謡)日、新着楽曲を軸にマイブームな音楽を紹介していきます。紹介した楽曲は下記SpotifyとYouTubeのプレイリストにまとめているので、併せてどうぞ。 *Mikiki編集部

★〈Mikikiの歌謡日!〉記事一覧

Spotifyのプレイリスト
 
YouTubeのプレイリスト

 


【田中亮太】

Zen101 “Ask Me” 20190621@Stonewall, Make Music New York

昨晩、下北沢THREEの〈9PARTY〉で観て、ものすごく衝撃を受けました。Zen101(ゼンワンオーワン)さんは、シンセサイザーやリズムボックス(?)で弾いたフレーズをルーパーで重ねていき、そこにポエティックな歌を乗せていくSSW/詩人。古くはローリー・アンダーソンや、最近だとアースイーターやマリー・デヴィッドソンなどにも通じる、実験性の高いエレクトロニック・サウンドと〈#metoo〉時代を生きる表現者ならではのメッセージ。その混ぜ方が、とてつもなくクールでめちゃくちゃかっこいいのです。

 

Homecomings “Torch Song”(LIVE)

昨年のアルバム『Whale Living』時に彼らへインタヴューしたとき、「リズと青い鳥」の主題歌“Songbirds”を制作するにあたって、〈京アニ〉のオフィスに4人で行ったことを話してくれました。その日の出来事が、解散寸前だったバンドをどう救ったのかってことも。ホムカミの新曲は、悲しい出来事に傷つき、いまだ震えが止まらない魂に寄り添おうする、人肌の温もりを持ったナンバー。そこにはもちろん、彼ら自身が抱えざるをえない切実さがあって。〈灯りの方へおいで 怖がらなくても大丈夫 あの日の夕日を思い出すのさ〉。

 

シャムキャッツ “おくまんこうねん”

ディアハンターみたいなギター・サウンドとディスコ・ダブ~バレアリック系からの反響を匂わせるグルーヴ。夏目知幸のダンス・ミュージック耳が大きく貢献したであろう、シャムキャッツ流サイケの最高峰。一つの部屋を舞台に、異なる世界線を交差させたようなMVもほのかな不思議さが漂っています。これは最後まで観てくださいね。

 

【高見香那】

ju sei “christmas”

季節モノが大好きだ。テンテンコさんのTwitterで知った、ふたり組ユニット・ju seiの静かなクリスマス・ソング。マイ・ベスト・クリスマス・ソングの仲間入りしました。

 

山下達郎 “RECIPE”

「グランメゾン東京」、大人の青春って感じのストーリーですごくいいんです。そんな良ドラマを優しく彩る主題歌を担当した達郎氏、“クリスマス・イブ”の2019年ヴァージョンが明日リリースされるようです。

 

【小峯崇嗣】

PROCYON  “Something”

神戸を拠点に活動する3ピース・バンド、PROCYONのニュー・シングルからピックアップしました。初めて聴いたときに、海外インディー・サウンドにも劣らないクォリティーに腰を抜かしました……。カレイドスコープの中に迷い込んだかのようなサイケデリックさと浮遊感溢れるドリーム・ポップ・サウンドの掛け合わせがまたたまりませんね。TOWER DOORSでは、彼らにメール・インタヴュー〈6つの質問〉も行っていますので、気になった方は併せて読んでみてください。

 

NUMB “Lily”

先週のリリースで、NUMBのファースト・シングルがとてもクールだったので紹介します。リル・ピープ辺りのエモラップに共鳴するトラックと、透明度高い彼の声がツボです。ロイ・ブレアやジミ・サムウェアあたりのアーティストが好きな人にもおすすめです。トラックは向井太一の『SAVAGE』(2019年)の曲を手掛けているCELSIOR COUPEが関わっているとのことです。

 

【酒井優考】

ネクライトーキー “ぽんぽこ節”

ギターの朝日氏いわく〈愛と哀しみときん玉の歌〉だそうです、最高だね笑。4分しかないのにさまざまな要素が入り乱れていて、ネクライ版“ボヘミアン・ラプソディ”とか、ネクライ版“21世紀のスキッツォイド・マン”とか言っても過言ではない……かも……違うか。とにかく音楽は自由だということです。

 

蒼山幸子 “バニラ”

初期プレステのような映像も相まってノスタルジックだけどちゃんとキャッチーでちゃんと変。そして超クール。

 

日食なつこ 『「▲Sing well▲Tour」東京EX THEATER ROPPONGI2019』トレイラー

胸に釘と癒しを同時に打ち付けてくれるような声です。

 

Klang Ruler & 新しい学校のリーダーズ “どうにもとまらない”

そこかしこで名前を聞くyonkey率いる次世代バンドとリーダーズが言わずと知れた名曲でコラボ。MIZYUの声がやたら和風に合うのはなぜなんだろう。Klang Ruler、覚えておきましょう。

 

nu 『(1)』

社内の人に教えてもらったはいいけど情報が無さすぎる! し、検索に引っかからない! どうやらヤ ギ(ギター)とイ シ イ(ドラムス)によるフィメール・2ピースで、今月リリースの新譜の音源がbandcampにも上がってるみたいです。粗削りなオルタナ・サウンドは轟音だけど汚くないし、禅のような静けさを感じます。

 

【天野龍太郎】

三浦大知 “COLORLESS”

この一週間、めちゃくちゃ話題になっていたのがこれ。

三浦大知が新曲・新作を発表するたび、未開の荒野をただ一人で歩んでいるかのようなイメージが浮かぶ。つまりそれは孤高ということなのだけれど、サウンド面での挑戦と冒険を、あくまでもポップスにきちんと落とし込んでいることには驚かされるばかり。“COLORLESS”で試みられているのは、音の引き算によってできた空白を、反響と残響、ピッチシフトされたヴォーカルなどで埋めるデザイン。こんな音と歌をJ-Popのど真ん中に投げ込んでくることにワクワクするし、〈ここまでやって大丈夫?〉とハラハラさせられもする、超エッジーなポップソング。

 

雨のパレード “惑星STRaNdING (ft. Dos Monos)”

かっこよすぎっす! 雨パレ × Dos Monosというフレッシュさとチャレンジングな感じにしびれまくり。テーマ的には〈2019年日本版“Interstellar Overdrive”〉? あいかわらず荘子itはSF映画ネタをぶっこんでいますね。

というわけでワタクシ的今週の2曲は、三浦大知“COLORLESS”と雨のパレード“惑星STRaNdING (ft. Dos Monos)”で。

 

TAWINGS “POODLES”

もちろん、まだあります!

TAWINGSのニュー・シングルは、ハイムやハインズのようなインディー・ポップ/インディー・ロックのキュートさと、アンダーグラウンドなポスト・パンク・サウンドがいっしょくたになった、ノヴェルティー感あふれる楽しい一曲。ただひたすら〈プードルってかわいいよね〉というようなことを歌っているだけ、というのも最高。

 

SAGOSAID “Bad Night Vacation”

ぜんぜん思い出せないけれど、だれかのなにかで知ったSAGOSAIDさん(元she saidの〈オルタナティブギャル〉)の新曲。スティーヴン・マルクマスゆずりのへろへろ感と、ダニエル・ジョンストン~R・スティーヴィー・ムーアみたいな宅録ローファイ主義。最高です。

 

Lil'Yukichi feat. Kay the Yacht “Foreign Territory”

たった1分38秒! Lil'YukichiがアトランタのラッパーであるKay the Yachtをフィーチャーした新曲で、ひたすらテンションが高くてあげみざわ。〈コンニチワ〉といきなり日本語が出てくるのもおもしろい。

 

PEAVIS feat. 孫GONG “Nobita (Remix)”

こちらもLil’Yukichiの仕事。福岡のPEAVIS(のび太)× 京都の孫GONG(ジャイアン)な、「ドラえもん」ネタの一曲。〈俺、実写版剛田武〉には笑った。

 

Red Eye & OVER KILL feat. Jin Dogg & D.O “POCKET (Remix)”

シオンタウンのBGMネタ? だけどハードでハスリンなムードにしびれる。〈高校生RAP選手権〉のRed EyeがJin DoggとD.Oが共演している、というところも胸アツ。やっぱりD.Oがラップするだけで、一発で空気が変わる。

 

Shurkn Pap “STAY TRUE Feat. Taiyoh”

先日も紹介した姫路のラッパー、Shurkn Pap。〈生きてれば傷も増える/それもリアル〉と歌う、ど直球のエモ・ラップ。