僕の言葉で歌う紗羅をもう見たくない
――もうひとつの共作曲である“WIPER BLUES”はどうやって作ったんですか。
紗羅「これはチャーベさんから送られてきた歌詞を部分的に自分の言葉に置き換えただけ」
チャーベ「今までLEARNERSでやってきた“WATER THE FLOWERS”とか“CASSIS OOLONG”の延長上で作りたかったんです。都市に生きる女の人の心情を書いたものというか。だけど、僕の歌詞だとどうしたって消せない中二病みたいなところが出てきちゃうんですよ(笑)。そんな言葉を歌う紗羅の姿をもう見たくなかったんで、言葉を置き換えてもらったんです」
――具体的にどういう風に置き換えたんですか?
チャーベ「元の歌詞を忘れちゃったなあ……」
紗羅「覚えてるよ(笑)。(歌詞コードを見ながら)たとえば〈水滴に反射するネオンが/街の静けさを色に変えた〉という歌詞だったら、もともとは〈きらめくネオンの明かりが/街の人を笑顔に変えた〉。チャーベさん節が炸裂してますね(笑)」
チャーベ「ニール&イライザみたいだね(笑)」
紗羅「私のほうがちょっとダークなのかな」
チャーベ「そうそう、そこがいいんだよ。アイドルに曲を書くのとは全然違うわけで、やっぱり歌う人の言葉で歌ったほうがいいから」
紗羅「あとね、チャーベさんの歌詞だと〈光る路面の水たまりを掻き分けて車は進む〉という一節を2回続くところがあったんだけど、2回目を〈光る路面に降る星くず掻き分けて私は進む〉にしたり」
――なるほど。そこに〈私〉という言葉が挟み込まれることによって、歌い手の〈意志〉が表現されるわけですね。
チャーベ「そうだね、おもしろいよね(笑)」

こんにちは、新しい自分
――で、今回紗羅さんが関わったオリジナル曲が3曲入ったわけですが、今も新しい曲を作り続けている?
紗羅「ううっ……(笑)」
チャーベ「僕らはそんな人間じゃないですよ(笑)。ただ、紗羅の頭のなかにたくさんのメロディーと言葉が詰まっているのは確かで、今後どうなっていくんだろう?と思ってますね。LEARNERSでは表現しきれないものもあるんだろうし、それもいつか聴いてみたい」
――最後に、『HELLO STRANGER』というタイトルにはどういう思いが込められているんでしょうか。
チャーベ「新しいことをやり、新しい人たちに聞いてもらいたいという意味でこの言葉が出てきたんだけど、最初はタイトルというよりキャッチコピーみたいな感じだった。次に向かうためのキャッチコピーというかね。でも、メンバーの新しい引き出しが次々に開いていって、自分たちの〈STRANGER〉な部分が見えてきたところもあって。そういう意味では自分自身に向けられた言葉でもあるんだろうね。結果、すごくいいタイトルだなと思ってます」

LIVE INFORMATION
LEARNERS “HELLO STRANGER” Release ONE MAN TOUR
2020年3月2日(月)愛知・名古屋QUATTRO
2020年3月3日(火)大阪・梅田QUATTRO
2020年3月10日(火)東京・渋谷QUATTRO
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