今年1月まで宇佐蔵べにと小鳥こたおの2人組で活動してきた〈限りなくアーティストに近い〉アイドル・ユニット、あヴぁんだんどが、学業に専念する小鳥の卒業をきっかけにリニューアル。6人組のavandonedとして再起動した。

 「こたおちゃんが大学受験でお休みしている期間があって、その時にずっとソロでステージに出ていたんですけど、しんどすぎてもう絶対にやらない!と思ったんです。自分にはそこまでの力量がまだないって判明したので、ソロでやってるアイドルさんって本当に素晴らしいなあって。なので、こたおちゃんが辞めることになった時も、ソロでやるっていう気持ちはまったく頭をよぎらなくて。それと、去年の夏におうちで〈@JAM〉の総集編を観ていて、やっぱアイドルっていいな、グループ・アイドルをやりたいなって。2人組のときは、フォーメーションだとか歌割りでどうこうみたいな見せ方は難しかったんですけど、グループ・アイドルとして、そういうものにも挑戦したいっていう気持ちが沸いてきました」(宇佐蔵べに:以下同)。

avandoned マーガレット HIGH CONTRAST/ヴィヴィド(2019)

 新たに加わったメンバーは、過去にグループ活動の経験もある犬飼はる、高校時代にダンス・コンテストで海外のステージも経験済みの真戸しずく、文芸少女で古い音楽も好むという出雲にっき、にっきと同郷・同級生で芸術少女の清水まな、そして、べにと共にAPOKALIPPPSのメンバーとしても活動しているゑりかちゃんべいびーという、個性と知性に富んだ顔ぶれ。6人でのステージはまだ数えるほどだが、グループのポテンシャルは間違いなく高い!……ということで、avandonedとしての初音源となるシングル“マーガレット”が届けられた。表題曲のプロデュースは、“Hello!!”(2017年)以来の手合わせとなる、つるうちはな。先日メジャー・デビューしたばかりの愛情と魂に溢れるシンガー・ソングライターが、新たな門出を祝うようにハートフルなラヴソングを彼女たちに託している。

 「グループ・アイドルとして何が必要かなと自分なりに考えたとき、〈恋の歌〉が必要だなと思ったんですね。はなさんは、最初の打ち合わせをしてすぐに〈マーガレット〉という言葉が浮かんだそうなんですよ。〈真実の友情〉とか〈信頼〉とかっていう花言葉が今の私たちにぴったりだって。“マーガレット”は、ただひと言で〈恋の歌〉って言える歌ではなくて、私たちが誰かのことを好きになってる歌でもあるし、アイドルとして活動している自分に恋をしてる私たちの歌っていう、2つの捉え方ができる歌詞になっているんです」。

 カップリングに収録された“処方戦”は、avandonedもよくお世話になっている下北沢のライヴハウス・THREEの店長であるスガナミユウが詞曲を、近作でお馴染みの松田岳二がプロデュースを手掛けたラヴリーでアノラックなナンバー。ピュアなハーモニーと和やかなメロディーにどこか懐かしさを感じられる。

 「スガナミさんがOCHA∞MEというバンドに書いたものだったけど、可愛らしすぎるっていうことで私たちに。ライヴでは歌いはじめる前から〈フォーメーションきた!〉って声が上がるぐらい評判良いです(笑)」。

 純白の衣装に身を包み、これまでになくアイドル然としたヴィジュアルになったavandonedだが、アーティスティックでありながら親しみやすい楽曲のテイストは引き続き、ということで。

 「最近の私たちの曲はいわゆるイマドキの、若者を鼓舞するような音作りではないと思うんですけど、それをやるのが私はカッコイイと思っていて。むしろ、それがすごく自然体で、これこそが本来のアイドルなんじゃないかなって思ってます!」。

 


avandoned
宇佐蔵べに(プレイング・プロデューサー)、犬飼はる、真戸しずく、ゑりかちゃんべいびー、清水まな、出雲にっきから成るアイドル・グループ。2014年7月、宇佐蔵ら6名によって〈あヴぁんだんど〉として始動。翌年に初の全国流通シングル“文鳥”をリリースし、メンバー脱退が続きながらも国内外でライヴ活動を展開する。2017年より宇佐蔵と小鳥こたおの2名体制となり、同年の『Hello!!/FEVER』から2018年の“LEMON PEELS”までシングルをコンスタントに発表していく。今年1月に小鳥の卒業を受けて表記を改め、3月にかけて新メンバー5名が加入。現体制で初の作品となるニュー・シングル“マーガレット”(HIGH CONTRAST/ヴィヴィド)を6月26日にリリースする。