ジム・ブラックはティム・バーンやデイヴ・ダグラスらとの共演によってジャズに登場したドラマーだった。ある評論によれば、ジャズというよりはポストロック的なドラマーだそうだ。このトリオは8年前に発表された『Somatic』と同じメンバーでの4枚目である。晩年の菊地雅章と活動をともにしたベースのトーマス・モーガンとジョン・ゾーンとのプロジェクトに参加するピアニスト、エリアス・ステメセダーによるトリオである。北米のピアノトリオ、〈The Bad Plus〉のようでもあるが、三曲目《Tighter Whined》の断片から音楽全体を構築するかのような演奏はやはりジムならではだ。