ジャズが揺れている。ジャズが何かを纏おうとしているのか、あるいは脱ごうとしてるのか、今のジャズがどのように今を迎えつつあるのか、その様子を言葉に着地させることが難しいと、このロン・マイルスの優しい、ダイアトニックな音楽を聴いて思う。しかし、それにしてもこの人選にしてこの音楽。素晴らしいと思う。ビル・フリーゼル、ジェイソン・モラン、トーマス・モーガン、ブライアン・ブレイド。全てにおいて、それぞれの出会いにおいてこの普遍的な、あるいはロン固有のトーンの音楽をアンサンブルする、十全な組み合わせではないだろうか。例えば、ノラ・ジョーンズ、あるいはカサンドラ・ウィルソンを置いてみるというのはどうか?