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インタビュー

横沢俊一郎、素直で天邪鬼な音楽家は〈絶対大丈夫〉と言い切る

勝負の新作『絶対大丈夫』インタビュー

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〈気づかれていない〉ミュージシャン横沢俊一郎

――横沢くんを知ったのは、吉祥寺のバサラブックスで買った最初のデモCDでした。すごくよくて、そのことを「POPEYE」の本屋特集に書いたんですよね。あと、ココナッツディスク吉祥寺店も推してたから、やっぱり「POPEYE」の音楽特集に吉祥寺くくりで紹介したり。それにかぎらず、横沢くんって、音楽メディアじゃないところでちょいちょい話題になるんですよね。

「ただ、いっつもちょいバズ(笑)。ラブリーサマーちゃんが『Rolling Stone』の記事でお気に入りの10枚に挙げてくれたときも、〈これはバズるぞ!〉と思ったら、Twitterのフォロワーが100人ぐらい増えただけで」

――今回のアルバムが出ることで、さすがにみんな気づくんじゃないですか、横沢くんの存在に。

「だといいんですけどね。ただ、いまのところ〈気づかれていない〉だけなのか、〈気づかれたうえで、相手にされていない〉なのか、どっちなのかを知るのがちょっと怖いんですよね」

――たしかに。ファースト・アルバムの『ハイジ』は音楽誌のレビューとかもあまり載らなかったですし。

「なんでだと思いますか?」

――そこは〈気づかれていない〉ほうだと思いますよ(笑)。それでいて、昨年(2019年)の夏にはアメリカ・ツアーまでしてるんですよね。しかも、向こうで『ハイジ』のレコード盤までリリースされたらしいじゃないですか。

「いちおうそのレコードのリリース・ツアーだったんですよ。しかもポートランドにできた新しいレーベル(day to day records)の第1弾が僕っていう(笑)。日本ですら知名度ないのに、500枚もプレスしてくれて、ツアーの交通費もぜんぶ向こうで出してくれました」

2018年作『ハイジ』収録曲“遠い人”

――きっかけは何だったんですか。

「たまたま友だちの店でデモCDのサウンド・チェックをしてたら、そのレーベルの人がフラッと来て、すごく気に入ってくれたんです」

 

非日常なアメリカ・ツアー

――引きが強い(笑)。ツアーはいかがでした?

「ポートランドから南のサクラメント、サンディエゴまでずーっと移動しながら、8回ライブをしました。地元のバンドも何組か出て、僕のサポートも向こうのミュージシャンがしてくれたので、いちおう盛り上がりましたね。

けっこう会場が面白くって、ボーリング場の空きスペースもあったし、一軒家でのライブも2回。その家がまた広くって、ホーム・ライブなのに50人も入るんですよ」

――横沢くんって、日本でもライブハウスみたいな会場よりは、どちらかといえばショップとかスタジオとか、オルタナティヴなスペースでライブをしているじゃないですか。その延長のような感じもしますね。

「とはいえ、非日常感はありましたよ(笑)。1日10時間くらいクルマで移動するんですけど、その間みんなずっと馬鹿騒ぎしてるし」

――レコードを出したことで、NYのメディア・FADERにレビューも掲載されましたね。見出しがまたよくて、〈ティーンエイジ・ファンクラブとアヴァランチーズを等身大で表現したバブルガム・サイケ・ポップ〉っていう。

「ティーンエイジ・ファンクラブはすごく好きなので、うれしかったですね。どういう経緯かわからないですけど、〈KEXP〉でも曲を流してくれたんですよ。そのへん、インディー独特の距離感ってありますよね。ライブにもジェイ・ソム(Jay Som)とか、マック・デマルコの親友みたいな人とか、普通に観にきてくれましたし」

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