8年前にRCAからキアナ・ブラウン名義でデビューしたLA拠点のシンガー/女優が、昨年のヒット“Ex”を含むEPに続いて発表した初アルバム。メイン・プロデュースはライスンピーズの面々で、アリ・レノックス、ラッキー・デイ、ブラックら当代の人気者との共演を含むミッド~スロウを軸に、小回りの利いたハイトーン・ヴォイスとアンニュイな歌声を操りながら華やかさとクールネスを放っていく。アコースティックな音色も交えたサウンドは全体的にダウナーだが、アウトキャスト“So Fresh, So Clean”を引用した“Mad At Me”やマネーバッグ・ヨーとビアがラップで参加したエムトゥーメイ“Juicy Fruit”使いのミッド・グルーヴ“Labels”を挿んで親しみを抱かせる展開も絶妙だ。現行R&Bのムードを凝縮した逸品。