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エイサップ・ロッキーやクボケンのLSD体験

というわけで、ブームになる前にいま一度LSDのことを語っておこうというのがこのドキュメンタリーの趣旨なのです。監督はあの「ザ・シンプソンズ」などのエピソードを書いたドニック・カーリー、製作はベン・スティラーの会社〈レッド・アワー・プロダクションズ〉、スティラーも自身のLSD体験を語っています。

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このドキュメタリーは歴史や、社会にどういう影響を与えたかとかのよくあるLSDドキュメンタリーではなく、スティングやビースティ・ボーイズのアドロック、彼の奥さんであるキャスリーン・ハンナ(ビキニ・キル)など大物スターたちが、LSD体験を語っています。人のLSD体験をずっと聞いてても、それって酔っ払いの戯言をずっと聞かされているみたいで、それがどうしたという気になるんですが、我慢して観てやってください。

僕がおもしろかったのはエイサップ・ロッキーの「オチンチンから七色の虹が出ているのが見えた」という話、確かにそう見えたりします。

LSDをやると結構みんな同じ共通の認識をするんです。僕もLSDをやったとき、世界の法則がわかったような、アインシュタインの相対性理論がわかったような気がしました。相対性理論が何なのかまったくわからないのですが、いま風が吹いたのもこういう理由があったのかとわかるのです。すべての事象がこういうことだったのか、それでいま僕はここにいるんだ、すべてがつながっているんだ。あーやっぱり神様はいるんだ、アインシュタインの有名な言葉〈神様はサイコロを振らない〉はホントだ、そうだ、物事にはすべて意味があるんだみたいなことを、みんなLSDをやると思うのです。

不思議ですよね。

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ドラッグと社会の適切な関係とは?

このドキュメタリーでは、これがのちの平和運動、エコに発展していったと語られています。

「スター・ウォーズ」のレイア姫という重荷を背負っていたキャリー・フィッシャーの「LSDをやっているときだけが本当の自分を取り戻せていた」という発言を、精神科医の先生は、これがPTSDや鬱病の治療に役立つのではないかと分析しています。

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これからLSDがどういうふうに社会と関わっていくのか、僕はよくわからないですが、このドキュメンタリーに関わった人たちはLSDにはバッド・トリップのリスクもあるが、それ以上に社会のためにいい効果をもたらすだろうと、自分の恥ずかしい体験を包み隠さず語ってくれているのです。

日本ではまだまだかもしれませんが、でも、もうそんなこと言っている時代じゃないのかという気もしている今日この頃です。

まずは大麻解禁ですかね!

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