映画「ボヘミアン・ラプソディ」の熱狂が一段落した後も、変わらず世界中で愛され続けるクイーン。ブライアン・メイ(ギター)とロジャー・テイラー(ドラムス)がヴォーカリストにアダム・ランバートを迎えて世界中で行ってきた数々の公演を記録した本作は、ライヴ・バンドとしてのクイーンの魅力を余すところなく収めたものだ。
ブラジルとポルトガルの両国で開催された〈ロック・イン・リオ〉、イギリスの〈ワイト島フェスティバル〉、日本の〈サマーソニック〉などの大規模フェスでは、横綱相撲とも言える圧巻のスタジアム・ライヴを展開。さらに、シドニーで開催された森林火災復興支援チャリティ・コンサート〈ファイア・ファイト・オーストラリア〉での公演は、なんと前述の『ボヘミアン・ラプソディ』でも再現された1985年の〈ライヴ・エイド〉出演時と全く同じセットリストとなっており、フレディ・マーキュリーと観客による〈Ay-Ohs〉というコール&レスポンスまでもが再現されている。
70年代から変わらぬ佇まいでブライアンが弾き語りする“Love Of My Life”、オーディエンスの手拍子&大合唱が爽快な“Radio Ga Ga”などの定番曲ももちろん収められており、〈withアダム・ランバート 〉のドキュメントとしてだけでなく、クイーンのライヴ・ベスト的な作品として古くからのファンも存分に堪能できる内容となっている。
デビューから47年、フレディの死からは来年で30年……フレディの意志を受け継ぎアダムが高らかに歌い上げる“The Show Must Go On”が胸に迫る。