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“The Hardest”は、クラシカルなピアノ、憂いを帯びたメロディーが溶け合うバラード。〈私を置いていかないで。一人にしないで〉と祈るようなリリックも強く心に残る。

「“The Hardest”のメロディーラインの断片は以前から頭の中にあって、〈これをどこかで活かしてあげたい〉と思っていたんです。(ドラマ側から)〈バラードでお願いします〉というお話をいただいたときに、そのメロディーがふと浮かんで。これはいい曲になるはずって言う自信がありました。ドラマでこの曲が流れてきたときに、自分の曲に泣かされる感覚があって。作った甲斐があったなと思いました。

歌詞に関しては、コロナ禍で感じたことも反映されてますね。初の全国ツアーが中止になって、いままで聴いてくれてた人が離れてしまうんじゃないかと不安になって……。聴く人によっては愛する人との別れを想像するかもしれないし、ただ悲しいだけの曲ではなくて、大切な人を思い出すきっかけになったら嬉しいですね」

miletの様々な表情を感じられるのも、本作の魅力。3曲目の“One Touch”はカラフルな色合いのポップチューンだ。

「タイアップ(花王「フレア フレグランス」CMソング)のイメージもあって、香りが広がる、鮮やかなピンクのような曲にしたくて。ガーリーで可愛らしい女の子が歌っているような雰囲気もあるし、また別のmiletさんが出てますね(笑)。“You&I”という曲のスピンオフみたいな感じもあるので、ぜひ一緒に聴いてみてください。

ポップな曲も増やしていきたいですね。去年のライブのとき、〈華やかでポップな曲って、盛り上がるんだな〉と実感したし、みなさんの楽しそうな笑顔も印象に残ってるので」

さらに、海外の男性トップライナーの語りを取り入れ、〈愛する人が灰になっても一緒に踊りたい〉というディープな愛情を描き出した“Ashes”、Kamikaze Boy (MAN WITH A MISSION) のプロデュース曲“Grab the air”を中野雅之(BOOM BOOM SATELLITES)がリミックスした“Grab the air -Reprise-”を収録。サウンドメイク、ヴォーカル表現を含めて、miletの音楽世界をさらに広げた作品と言えるだろう。「歌うことを通して、〈私は何者なのか?〉を探っている感じもありますね」と語る彼女の視線は、さらに先の未来に向けられているようだ。

「STAY HOME期間中に〈私は曲を作ったり、歌うことで精神状態を保ってるんだな〉ということがわかって。2020年の状況のなかで新しい曲をリリースできたことは、私にとってすごく大きいですね。音楽を求めてくれる人がいることを信じて、これからも歌っていきたいです。今やりたいのは、やっぱりライブですね!」