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インタビュー

Kroi内田怜央とBREIMEN高木祥太、時代を並走する2人が語る〈真のミクスチャー・バンド〉

Kroi『STRUCTURE DECK』

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内田怜央(Kroi)

コロナ禍のなかで変化した音楽制作

――コロナ禍の2020年をお2人はどう過ごしていましたか?

内田「Kroiは1か月の半分くらいライブをしてたバンドなので、そのパワーをどこへやったらいいのか、最初はわからなかったんです。でも割り切って、音源を育てるフェイズに入りました。それまではライブを意識して曲を作ってたんですけど、音源でしかできないことをやろうと切り替えました」

Kroiの2020年のライブ映像

――BREIMENは『TITY』のリリース後、シングル“noise”“ナイトクルージング”を立て続けに発表しました。

高木「コロナ禍でライブがなくなって、それから2、3か月、音楽をやる気がなくなっちゃったんです。それで、BREIMENの映像制作をしてくれてる2025や友だちと自主映画を作ってました(笑)。それから音楽を作りたくなって、集中して作った曲を下半期にパンパンパンと出したんです。だから、コロナ禍を経た歌ですね」

BREIMENの2020年のシングル“noise”

――Kroiと同様、ライブ感よりもDTM感が増していると感じました。

高木「まさにそうです。いま制作してるBREIMENのアルバムは自然とそうなってて、基本的に生演奏を大事にしてるからこそ、普段とちがった楽しさをDTM的な制作方法に見いだせました。俺の場合はコロナ禍でエネルギーが内向きになって、それにDTMってツールが合ってたんだよね。Kroiは?」

内田「それまではライブ感、生感を出そうとしてたんですけど、変化できるタイミングかなと思ったので、DTM的な曲作りにちゃんと向き合いました。あと、俺はラップを封印したんです。曲作りの変化に対応して、歌でどこまでいけるのかを試したかったのかも」

高木「やっぱり、2020年はミュージシャンにとって変化せざるをえないタイミングだったんだよね」

――聴く音楽は変わりましたか?

高木「一昨年はファンクとかをめっちゃ聴いてたのに、去年はボン・イヴェールばっかり聴いてましたね」

内田「去年はインプットしてる感じが気持ち悪くなっちゃって、音楽を聴いた感じがあまりしないですね。だから、曲を作るときに自分のなかから抽出することが多くて辛かったです」

高木「たしかに、インプットってアウトプットとのバランスが大事だと思う。俺らは音源をいくつか出したけど、ライブやセッションみたいな即効性の高いアウトプットはできなかったから」

内田「ライブやコミュニケーションは大事だなって思いましたね。ライブでは〈この人たちに聴いてもらう〉というモチベーションが明確なんですけど、家で作ったものをリリースしてると〈誰に向けて作ってるんだろう?〉って感じちゃうんですよね」

 

Kroiは野生のチーターからライオンになった

――高木さんはKroiの新作『STRUCTURE DECK』を聴いて、いかがでしたか?

高木「これまでのシングルもビデオも、総合的にずっとパンチされつづけてた感じなんですけど、EPを聴いて正直、食らいましたね。

Kroiはメンバー全員が素晴らしいと思うけど、今回は千葉(大樹)くんの存在がめっちゃデカいと思った。そもそも俺は変なキーボーディストが好きで、千葉くんはまちがいなく変人。EPは全曲、千葉くんがミックスしてるの?」

内田「“dart”以外はそうですね」

高木「まず、ミックスがめちゃくちゃかっこいい。エンジニアが普通にやると全部の楽器を聴かせようとするけど、千葉くんのミックスは捨てるべきところを捨ててるんです。マスキングされて聴こえない音がいっぱいあるライブの感覚を、ミックスから感じたんだよね。聴こえてきてほしい音が、しかるべきタイミングでバーンと出てくる。昔のソウルやファンクを聴いてて〈シンセの音、デカっ!〉って思うじゃん。あれに似てて、思い切りがいい。

あと、千葉くんはシンセの音色(おんしょく)が時代錯誤しすぎてて最高。いまの時代、いくらでもリバイバルがあるけど、誰も拾い上げてないようなヤバい音なんだよね。

千葉くんが入る前のKroiが野生のチーターだとしたら……いまのKroiはライオンになった感じですかね

※千葉大樹は2019年にKroiに加入

内田「(笑)」

『STRUCTURE DECK』収録曲“Page”

高木「Kroiはいい意味でパッションのバンドだから、ロジカルなところも持ってる千葉くんが加わって進化したと思う。それと、Kroiの音源はメンバーみんなの顔が見えてくるのもいい。

プログラミングもすごいし、めちゃくちゃずるいなって思ったんだよね。レッチリ(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)だってこんだけの幅の広さはないよ!って。演奏力が高いからこそ、作り込んだトラックと有機的に組み合わさってる。……えー、まだまだ続きます」

――(笑)。

高木「怜央はボーカリスト、フロントマンとしてすごすぎる。ラップだけでも天下を取れそうなんだけど、歌もかっこいいから。

ツアーが終わったあと、Dinoと〈怜央のラップはヤバい〉って話してたんだよね。最近Dinoは怜央から影響を受けてラップをやってるらしくて、俺もやろうと思ったんだけど、怜央の歯切れいいラップは俺には無理だなって思った。怜央はレイジ(・アゲインスト・ザ・マシーン)のザック・デ・ラ・ロッチャを超えてますね」

内田「いやいや(笑)」

高木「……っていうのが、今回のEPにはふんだんに表れてます」

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