ヴァンパイア・ウィークエンドの元メンバー、チャーリーXCXのプロデューサーなど、さまざまな肩書きを持つロスタム・バトマングリのセカンド・アルバム。もともと巧みな音作りやソングライティング能力は定評を得ていたが、その魅力は本作でも遺憾なく発揮されている。ロック、ヒップホップ、ジャズといった多くの要素を端正なポップソングにまとめあげる上手さは抜群の一言。特にお気に入りなのは“4Runner”だ。立体的でドリーミーな音像が心地良く、繰り返し聴きたくなるような親しみやすい旋律が光る。“Kinney”もおもしろい。ドラムンベース的な高速ビートから始まり、曲の終盤で突如シューゲイザーな轟音ギターを鳴らすという構成に、思わず笑ってしまった。