ウォークメンを活動休止中のハミルトン・リーサウザーが2014年の初ソロ作に続き、早くも2作目を完成させた……と思ったら、前作にも参加していた元ヴァンパイア・ウィークエンドロスタムが全面的に音作りを手掛けた、コラボ盤という形でのお目見え。新世紀NYの異才たちが実らせた果実は、各々が在籍したバンドとは一線を画するものに。“Rough Going”のドゥワップ、“Peaceful Morning”のカントリー、“When The Truth...”のソウル、“The Bride's Dad”のワルツと、言わばレトロでルーツィーなアメリカン・スタイルを、80sっぽいスケール感のあるプロダクションで鳴らしている。ロスタムはウッディーな生楽器もクワイアもシンセも自在に操って、ハミルトンのダイナミックでフレキシブルな歌心を引き出し、シンガーとしての圧倒的な存在感をショウケース。伊達なクルーナーから傷心のブルースマンまで、曲ごとに演じ分けながら醸すロマンスと洗練は、USインディーの無法地帯を切り拓く。