samayuzame『Plantoid』淡く儚い歌声と抒情的なメロディーで前衛性をほどよく中和するバランス感覚が秀逸

2021.07.28

かつてKAMITSUBAKI STUDIOに所属し、ヰ世界情緒らへの楽曲提供も行う藝大卒シンガー・ソングライターのニュー・アルバム。バックビートにのっかって空中浮遊する“エーテル”、エスニックな楽器類の音色が幻想性を強調した“Lotus Farm”、トリップ・ホップ的な退廃美に満ちた“奈落の黙示録”など、ともすれば前衛に偏りかねない音響世界を構築しつつ、やなぎなぎなどにも通じる淡い色彩感の歌声、抒情的なメロディーによって儚くも麗しい歌ものに着地させるバランス感覚が素晴らしい。創作行為そのものに関する内省的なテーマを物語的なモチーフに落とし込む歌詞のセンスも抜群だ。過去にボカロ曲として発表した“天國へみちづれ”“Room:樹海”のセルフ・カヴァーもCD限定で収録。

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