小説も執筆する自作自演家の4作目は新機軸を多数含む意欲作。オルタナティヴ・ロックを基軸としながらも、スポーツ選手たちへの応援歌の“心がイエスと言ったなら”、ゴスペル風味が新鮮な“合わせ鏡”、グラム・ロックを意識したという“象に踏まれても”など曲調はヴァラエティーに富む。それでも散漫な印象を与えないのは、どんな楽曲にも対応できるヴォーカルの表現力ゆえだろう。器用だが器用貧乏ではない、というのがポイントだ。