神門がマイペースに綴ってきた、人生のようなディスコグラフィー(の一部!)

前年の自主盤『四拾』の評判を受け、ダメレコのフックアップで登場した初のフル・アルバム。パーソナルな恋愛観を剥き出しにした全編ラヴソングの内容が話題を呼んだ。“重い出”をALI-KICKが手掛けたほか、ARCHITECTらがビートを提供。

自身のレーベル発となった2作目では劣等感や不安などを包み隠さず吐露した暗い詩情が響く。同じ神戸のDJ NAPEYがジャジーなループからドラムンベースまですべてのトラックを手掛けている。“さて、どう生きようか?”をボーナス収録。

それぞれ独立した内容の作品を2枚組で表現した3作目。“ノルマ地獄 remix”など多様な切り口の曲を束ねた〈詞集〉、“いのち”など死にまつわる物語を集めた〈死終〉、いずれもディープな内容だ。加えて4曲の〈四収〉もボーナス収録。

ジャケからも明らかな表情の変化が悩みを越えたペン先を未来へ走らせる、セルフ・タイトルに相応しい4作目。過去曲へのアンサーとなる“ギャラ天国”や“なら、こう生きよう”が聴きどころで、後者では観音クリエイションと手合わせ。

表題が示すように『三日月』以来の全曲ラヴソングとなった5作目は、〈上弦〉〈下弦〉のそれぞれをCDとDVDで表現した計4枚組! 全曲を観音クリエイションが手掛け、不可思議/wonderboy“Pellicule”のカヴァーもボーナス収録。

前年のライヴ活動休止を経た6作目は、詩やエッセイなどの文字作品も重視してCDのみでのリリースに。感情に寄り添うピアノに乗って12分を語り尽くす“夢をあきらめて現実を生きます”が何より強力。同年には7作目『色彩』も発表。

大失恋を歌った活動10周年記念シングル“Azalea”(2015年)を間に挿んだ、3年ぶりの8作目。何とアルバム丸ごと21曲かけて祖父の葬儀を描いたもので、例を見ないテーマ選びも彼らしい。観音クリエイションが全曲をプロデュース。

統一のコンセプトなどを設けずさまざまなトピックが詰め込まれた9作目。語りかけるようなラップ作法も現在の姿に直結するもので、“夫婦”や“漫才”など独自目線のユニークな楽曲が並んでいる。リリースに前後して5年ぶりにライヴ活動を再開。

『三日月』と同じアングルでベビーカーの写り込むジャケも象徴的な10作目。観音クリエイションとikipediaが美麗なトラックメイクを分け合い、SHIBAOとMichitaも1曲ずつ制作。同年にはサプライズで11作目『年月』もリリースした。