ポジティヴな力に満ちた“無意識下で逢いましょう”や、凄まじい微睡み感に包み込まれる“COVID-19”など、世界を取り巻く有象無象を想起させる11篇の物語が交差しながら進む通算21作目。その混迷ぶりに息が詰まりそうになるが、それでもこの先“楽しいことしかない”と声高に歌うことができるのは、音楽の最高なところでもある。〈根拠〉もなければ一時の気休めにすぎない〈デタラメ〉かもしれないけれど、改めてそう肝に銘じたい。