唯一無二の存在感と高い音楽性で快進撃を続ける-真天地開闢集団-ジグザグ。2022年の幕明けから更なる旋風を巻き起こすこと必至の最新音源集(サードアルバム)や、今後の活動に対する彼らの思いとは?

-真天地開闢集団-ジグザグ 『慈愚挫愚 参 -夢幻-』 CRIMZON(2022)

――サードアルバムとなる最新音源集『慈愚挫愚 参 -夢幻-』ですが、制作はどのように進めていかれましたか?

命-mikoto-(唄&弦楽器)「制作自体は、アルバムに向けてやるというのはなくて、普段からズルズルダラダラ作っているんですけど(笑)。そこから徐々にこういう方向性のアルバムにしようかとまとめていくんですよね。アルバムで最初に作ったのは……“燦然世界”かな? あと“ラスデイ ラバー”は元ネタとしては古いんですね。もともと僕らは楽曲が完成するのがほぼ同時期というか、まとめてダダダダっと作り上げるんですよ。8割ぐらい出来ているものがずらっと並んだ状態で、〈さあどれから仕上げていくか〉という、たこ焼きみたいな作り方です(笑)」

――そうした命様のたこ焼きスタイルでの制作に対して、メンバーのみなさんはいかがですか?

影丸-kagemaru-(太鼓)「楽器隊は大変ですよ(笑)!」

龍矢-ryuya-(低音弦)「締め切りに追われます(笑)」

影丸「どんな曲かあまり知らない状況で急にドンってくるんですよ」

龍矢「下手したら、〈この曲にベース入れて〉っていうときが初聴きというのもあります(笑)」

影丸「ただ、ドラムに関してはデモの段階でほぼ完璧に近いかたちで送ってくださるんですが、突然とんでもなく難しいのが来たりするので、普段からアルバムのために練習している感じですね(笑)」

――そんなアルバムが序曲の“-夢幻-”からの“Aria”から始まりますが、またスケール感のある幕開けだなと。

命「この曲を最初に持ってこようというのは想定して作っていなかったんですけど、ある程度形が見えてきたときに、アルバムの最初か最後かなって思っていたんですよ。例えば禊(ライブ)もこの曲で始まったら、またひとつ上のバンド感が出るのかなって」

――ほかにも“僕ノ旋律”ではプログレッシブな導入がまた素晴らしいなと。

命「まさにとんでもなく難しい」

影丸「とんでもないでーす(笑)!」

龍矢「この曲は事前にもらっていたんですけど、〈これ弾けんのかな?〉って思うぐらいで(笑)」

影丸「ああいうのは今までになかったから、僕は〈キター!〉って思いました」

命「おお、それはうれしいね」

――またポップな楽曲では10年前に作ったという“ラスデイ ラバー”は、これもイントロがものすごくポップで。

命「歌詞以外は10年前からほぼ今の形でしたね。ただ頭打ちのリズムというのは10年前にはなくて、ただのAメロBメロと同じリズムだと飽きるなって思って、頭打ちのセクションを入れたんですよ」

――そして終盤はヘヴィな楽曲が並ぶなかで、“燦然世界”のストロングなアプローチはまた新鮮でした。

命「これはセカンドアルバムの頃にあった曲なんですよ。セカンドアルバムのタイミングではまだ早いなっていう雰囲気があって。ちょっと暑苦しいというか(笑)」

龍矢「たしかにジグザグとしては新境地ですね。今までポップな曲はあったし、かわいい曲も洋楽ロックみたいな曲もあったんですけど、あの手の曲は初めてだと思います。衝撃的ですよね」

――そんなアルバムと同時リリースとなるのが、昨年6月の5周年記念禊の映像集。改めて当日はどんなお気持ちでしたか?

-真天地開闢集団-ジグザグ 『慈愚挫愚 5周年記念禊~ハキュナマタタ~』 CRIMZON(2022)

龍矢「まずは開催できてよかったですよね」

命「それに尽きるというか。当時はみんなとまた一緒に禊をやるのが大きな目標だったので、バンドマン復活の第一歩みたいな気持ちはありました」

龍矢「あとはずっと休んでいたあとの禊だったので、感覚の取り戻し方が難しかったですね」

影丸「僕はふたりがそんな気持ちとはつゆ知らず、後ろで楽しく叩いていました(笑)。幕が開いてお客さんを見たときは感極まってしまいましたね」

――2022年はリリース後に全国ツアーも控えています。どんな一年にしたいですか?

命「2022年は……もうとんでもないです。とんでもないことになります。もしかしたら俺の人生でも1、2位を争う濃厚なことが起こるかもしれないですね。2021年は周りにあれだけ騒いでもらって本人何してんねんっていう感じだったので、2022年は……取り返します(笑)!」

龍矢「僕のこのバンドでのいちばんの仕事は禊で演奏することですが、それがここ2年ぐらいできていなかったんですよね。3月からのツアーでそれがやっとできる。楽曲は命さんが素晴らしいものを作ってくれるので、それを絶対に生で観たほうがいいよって思わせるものにしたいですね」

影丸「クビにならないように練習します(笑)! 今年もひたすら、ひたすらドラム
を練習していく感じですね」

命「僕らの関係性はあくまでおのおのが成長するためのパートナーでもあるので、僕もふたりに見放されないように(笑)、自分の魅力は高めていきたいですね」