OPUS OF THE YEAR 2022
[ 特集 ] bounceが選ぶ2022年の100枚+

そもそも私たちは何と戦っているのか……と立ち止まらなくもない。それでも、そんな日々を彩った音が、こんなアルバムたちと共にいい記憶として残っていきますように!

 


100MOIDE IN MY HEAD 2022
bounceが選ぶ2022年の100枚

ALAN WALKER 『World Of Walker』 MER/ソニー(2022)

ノルウェー産EDMスターの2作目は、エイバ・マックスらとの合体を含む超ポップなビッグ・チューンを満載した〈俺の世界〉に揺るぎなし。『Walkerverse』の連作リリースも経て、早々に来日する新年の活躍にも期待です。 *出嶌

 

ASP 『PLACEBO』 WACK(2022)

WACKのホープがメンバー脱退~加入の激動を経て届けた2作目は、感情の漲る“I wanna live”を極みに直球なパンキッシュ路線の集大成に。7人体制になって色を増したメジャー・デビュー後の展開にも大注目です。 *出嶌

 

BONOBO 『Fragments』 Ninja Tune/BEAT(2021)

ロックダウン下でのダンスフロアへの思慕を反映した、踊れる7作目。躍動的なリズムが持ち前の雄大な自然を想起させるサウンドと好相性を見せ、ジョーダン・ラカイやジョージら多彩な客演陣もハマっていた。 *田中

 

グソクムズ 『グソクムズ』 Pヴァイン(2021)

吉祥寺の4人組による初作は、多摩地区特有のゆったりとした時の流れ、緑多き街の風景を映したフォーキーなサウンドが魅力。12月には早くも2作目『陽気な休日』を発表したばかりで、ネオアコ感を強めたそちらも傑作!    *田中

 

Kyoto Jazz Massive 『Message From A New Dawn』 EXTRA FREEDOM/Village Again(2021)

沖野修也が運営するThe Roomがめでたく30周年を迎え、Kyoto Jazz Sextetの新作も届いた2022年。それに先駆けたKJMの19年ぶり(!)の2作目は、時を超えるスピリチュアルな熱気とライヴ感の溢れ出る大傑作でした。 *出嶌

 

PIGGS 『JUICYY』 プープーランド(2021)

2022年にはメジャー・デビューも発表した5人組が、その時点でのベスト的な濃厚さで前年に発表した2作目。泥臭い生き様を掲げた“NOT PIG”から泣き笑いで駆け抜ける“I CAN’T BE”までエモい真骨頂だらけの一枚でした。 *出嶌

 

Ado 『狂言』 ユニバーサル(2022)

社会現象化した“うっせぇわ”を筆頭にギラギラ躍進してきた前年までの軌跡を封入した初のアルバム。映画「ONE PIECE FILM RED」に登場するウタとしての歌唱に至るまで、“新時代”の到来を見せつけた一年でしたね! *出嶌

 

AURORA 『The Gods We Can Touch』 Decca/ユニバーサル(2022)

ビョークも想起させる北欧の新世代ミューズが各々の個性や人間味を肯定したホーリーな傑作。TikTokでバズった“Cure For Me”の話題もあり、2月に来日公演も控える新年はさらに支持を広げていきそうな予感。 *出嶌

 

BLACK COUNTRY,NEW ROAD 『Ants From Up There』 Ninja Tune/BEAT(2022)

トラッドとパンクを融合したサウンドの気高さといったら! リリース直前に中心人物が脱退するという大事が起こるも、残された面々は創造性を駆使しながら存続を選択。涙を見せた〈フジロック〉のライヴも感動的だった。 *田中

 

ザ・クロマニヨンズ 『SIX KICKS ROCK&ROLL』 ARIOLA JAPAN(2022)

前年から6か月連続リリースのシングルを集大成した15枚目のアルバムが、久々のツアーも行った2022年のキックオフに。永遠の青春モードとロックンロールへの愛を湛えたタイムレスな楽曲たちは今回も単純に最高でした! *出嶌

 

ELVIS COSTELLO & THE IMPOSTERS 『The Boy Named If』 EMI/ユニバーサル(2022)

映画「エルヴィス」が話題になった2022年は、こちらのエルヴィスも大活躍。初ライヴから50周年の記念に再結成したラスティの初作に加え、ティーンの季節を描いたこの名盤でもストレートなロックの爽快感は全開でした。 *出嶌

 

LADY BLACKBIRD 『Black Acid Soul』 Foundation/BMG(2021)

〈ジャズ界のグレイス・ジョーンズ〉と評された才能が底知れぬポテンシャルを大解放した初作は、この年の大きな収穫のひとつ! 同じくクリス・シーフリードが手掛けたトロンボーン・ショーティの『Lifted』も忘れ難いです。 *出嶌

 

緑黄色社会 『Actor』 エピック(2022)

〈紅白〉出演も決定するなど、1年間を通して意気揚々と活動を続けてきた4人組の絶好調っぷりが伝わる3作目。自在に表情を変えていく長屋晴子の歌声もアイデア豊かな演奏も、迷いのなさが眩しすぎました。 *田中

 

SHINGO★西成 『独立記念日』 昭和レコード(2022)

昭和の看板を引き継いだフッドスターが文字通りの節目を飾った気迫の一枚は、静かに熱くなる表題曲や“893”“うしろきいつけや”などのディープな名曲揃いでした。それぞれ独立した般若とZORNの活躍もお忘れなく。 *出嶌

 

東京初期衝動 『えんど・おぶ・ざ・わーるど』 チェリーヴァージン・レコード(2022)

銀杏BOYZに影響を受けて結成されたというパンク・バンドの2作目は、曽我部恵一との共作やメンバー全員の作曲/アレンジへの貢献など挑戦の一枚に。〈何をやってもいいんだぜ〉と言わんばかりの雑多さが痛快だった。 *田中

 

AMBER MARK 『Three Dimensions Deep』 PMR/EMI(2022)

ダーティ・プロジェクターズやクローメオとの仕事でも注目されてきた才人がついに完成したフル・アルバム。トラップやUKガラージも含む多彩なポップネスをソウルフルに彩るブルージーな歌唱が何より絶品でした。 *出嶌

 

Awich 『Queendom』 ユニバーサル(2022)

初の武道館公演を控えて投下されたフル・アルバム。半生を歌う冒頭曲からラストまでグッとくる流れが用意されつつ、“GILA GILA”やアフロビーツの“どれにしようかな”など単曲にも濃厚な主体性と風格が漲った大傑作! *出嶌

 

BLUE LAB BEATS 『Motherland Journey』 Blue Note/Blue Adventure /Decca France/ユニバーサル(2018)

ロンドンのビートメイキング・デュオがブルー・ノートから放った大作。フェラ・クティを引用したアフロな表題曲からピップ・ミレットとのジャズ・ヴォーカル曲まで現代的なバランスで醸成される意匠の多彩さに惹かれた。 *出嶌

 

iri 『neon』 Colourful(2022)

デビュー5周年を経て、より奔放に〈自分らしさ〉を発揮できたという5作目。アフロビーツやN.E.R.D.風ロックなどを乗りこなす歌唱に耳を奪われつつ、弾き語り起点の楽曲たちに映されたナチュラルな表情も美しかった。 *田中

 

MARY J. BLIGE 『Good Morning Gorgeous』 300(2022)

新進女性シンガーによるR&Bの良品が目立った2022年、過去を自在に出し入れする進行形のレジェンドが示したアルバムは女王に相応しい重厚&余裕の一枚に。スーパーボウルのハーフタイムショウ出演も話題になりました。 *出嶌

 

竹内アンナ 『TICKETS』 インペリアル(2022)

より衒いなくポップに振り切れて支持を広げた2年ぶりのセカンド・アルバム。AFRO PARKERとのコラボ曲もあって、表現の振り幅を自由に操った好盤でした。“made my day”や“サヨナラ”など以降の配信曲も必聴! *出嶌

 

宇多田ヒカル 『BADモード』 エピック(2022)

フローティング・ポインツらレフトフィールドな電子音楽家たちによるサウンドを、ポップソングとして聴かせられる歌声こそが特別なのだろう。西洋中心主義が見直される音楽文化のムードもまた、彼女の存在を引き上げた。 *田中

 

YEARS & YEARS 『Night Call』 Polydor/ユニバーサル(2022)

オリー・アレキサンダーの一人体制になってからの初作。主演を務めたドラマ「IT’S A SIN 哀しみの天使たち」の高評価にも後押しされたのか、ダンス・ポップなサウンドからジャケに至るまでクィアな感覚が全開。 *田中

 

ASIAN KUNG-FU GENERATION 『プラネットフォークス』 キューン(2022)

三船雅也(ROTH BART BARON)とのデュエットで幕を開ける10作目は、近作と同様に後進の世代を適所で起用。RachelとOMSBが参加した“星の夜、ひかりの街”は後藤正文を含む3者の〈リリック論〉としても聴けよう。 *田中

 

CENTRAL CEE 『23』 Central Cee(2022)

UKの悪童が全英1位を獲得した、ディガDと並ぶミックステープの重要ヒット作。ピンクパンサレス使いのヒット“Obsessed With You”も含め、ハードなドリル~グライムから重たいトラップまで不敵でカッコ良すぎた。 *出嶌

 

CHARLI XCX 『CRASH』 Asylum/ワーナー(2022)

ロックダウン期間にも精力的に動いた彼女が、あえて華美でグラマラスな方向に振り切ったような一枚。AGクックやOPNらを起用し、リナ・サワヤマと絡むなどヴィヴィッドに振り切れたダンス・ポップが痛快でした。 *出嶌

 

HORACE ANDY 『Midnight Rocker』 On-U Sound/BEAT(2022)

ジャマイカの伝説をエイドリアン・シャーウッドが手掛け、主役の名曲からマッシヴ・アタックのカヴァーまでを披露した逸品。シャーウッドは本作のヴァージョン集や自身のリーダー作、スプーンのダブ盤でも手腕を発揮した。 *出嶌

 

KOJEY RADICAL 『Reason To Smile』 Asylum/Atlantic(2022)

アフロ系の歌心と柔軟なマイク捌きを持ち味とする現行UK最有望株のファースト・アルバム。ティアナ・メジャー9やマセゴ、エゴ・エラ・メイらを交えてメロウ&スムースに浮遊する作風が最高に快かったです。 *出嶌

 

MACHINE GUN KELLY 『mainstream sellout』 Bad Boy/Interscope(2022)

前年のウィローやオリヴィア・ロドリゴを経てアヴリル・ラヴィーンまで繋がったポップ・パンク・リヴァイヴァル。その起点となった前作『Tickets To My Downfall』に続く本作も持ち前の魅力が爆発していました。 *出嶌

 

NILÜFER YANYA 『PAINLESS』 ATO/BIG NOTHING(2022)

トルコ系ロンドナーの2作目は、ドゥルッティ・コラムを彷彿とさせるギターとビートが特徴。歌声のグルーミーな魅力とも相性抜群で、ハッピーではない、でもサッドでもないという2022年の空気にピッタリでした。 *田中

 

優河 『言葉のない夜に』 Yuga(2022)

ライヴでもバックを務める〈魔法バンド〉と制作した3作目。メンバー岡田拓郎がミックスを担った奥行きのある音像に感嘆しつつ、その中心ですべてを司る主役の存在感に圧倒させられました。和製オルタナ・フォークの傑作。 *田中

 

THE WEEKND 『Dawn FM』 XO/Republic/ユニバーサル(2022)

80年代モードをさらに推進したコンセプチュアルな夜明けのアルバム。“Out Of Time”でのネタ使いによって亜蘭知子の名前がトレンド化したのはともかく、結果的には『Thriller 40』の年にも絶妙にハマる傑作でした。 *出嶌

 

WET LEG 『Wet Leg』 Domino/BEAT(2022)

ハリー・スタイルズからパラモアまで、ワイト島出身のこの2人組に世界が夢中に! ダン・キャリーによる簡素ながらメリハリの効いた音作りも、彼女たちの素の魅力を引き出していました。グラミーにもノミネート! *田中

 

fhána 『Cipher』 ランティス(2022)

この年の3月まで制作が続いたことで、ポップな楽曲のなかに重い時代性と前向きなメッセージが反映された力作。先だってyuxuki wagaの脱退発表もあったばかりですが、デビュー10周年を迎える新年の動きも楽しみです! *出嶌

 

lyrical school 『L.S.』 ビクター(2022)

真夏の野音でメンバー4名を見送ったグループが、現体制の置き土産として仕上げた5本マイクの集大成。valkneeやPES、MUROらも交えて進化を見せた力作で、文字通りの“LAST SCENE”に続く新生もそろそろ……? *出嶌

 

Kan Sano 『Tokyo State Of Mind』 origami(2022)

トラックメイクの面で革新性を発揮した前作と比較して、ソングライティングと歌を核にしたアルバムながら、プロダクションも遜色なくユニーク。ともさかりえとデュエットした“Play Date”の鮮烈なブレイクに耳を傾けるべし! *田中

 

KOFFEE 『Gifted』 Columbia(2022)

ジョン・レジェンドやJハスに抜擢されてきたジャマイカの超新星がついに発表したフル・アルバム。“Redemption Song”を下敷きにした冒頭の“X10”から穏やかでソウルフルな歌い口が深い印象を残す佳曲集でした。 *出嶌

 

ROSALÍA 『MOTOMAMI』 Columbia(2022)

スペインが世界へ送り出したポップ・アイコンの4年ぶり3作目。ウィークエンドやジェイムズ・ブレイクとのコラボも披露し、フラメンコを基盤にしたハイブリッドなラテン・アーバンのエッジーな破壊力は最高でした。 *出嶌

 

ADRIAN QUESADA 『Boleros Psicodélicos』 ATO/BIG NOTHING(2022)

ブラック・ピューマズのギタリストによる初ソロ作は、60年代にメキシコで流行したラテン・バラードを現代にアップデート。お洒落な不良性が最高にかっこいいです。11月にはイタリア映画音楽に感化された新作も登場。 *田中

 

ANGEL OLSEN 『Big Time』 Jagjaguwar/BIG NOTHING(2022)

作品ごとにさまざまなサウンドへと取り組んできたシンガー・ソングライターが、両親との死別を経て古典的なカントリーに挑んだ6作目。ペダル・スティールの音色、感情を抑えた歌声に古き良きアメリカの風景が滲む。 *田中

 

JACK HARLOW 『Come Home The Kids Miss You』 Generation Now/Atlantic(2022)

“First Class”のNo.1ヒットを経ての2作目。淡々としたダルな語り口で00年代ネタ曲を繰り出す様子はナウな旬の感じ。“Dua Lipa”なんて曲をやっといて、年末にデュア・リパとの交際報道まで出てきたのも凄い(?)。 *出嶌

 

幾何学模様 『クモヨ島(Kumoyo Island)』 Guruguru Brain/BEAT(2022)

海外の好事家たちの興奮が逆輸入される形で、日本でも人気が爆発した5人組の最終作。サイケ道を邁進しつつ辿り着いた穏やかな終曲が映すのは彼岸の風景か。12月初頭に活動終了前のラスト・ライヴを開催したばかり。 *田中

 

LIAM GALLAGHER 『C’mon You Know』 Parlophone/ワーナー(2022)

大トリを務めた前年の〈レディング〉で完全復活を遂げた弟が、その勢いのまま作り上げた3作目。レゲエやサイケ調の楽曲を収録するなど、一辺倒じゃない音楽性にも自信が漲る。いまのリアムがいちばんかっこいいよ。 *田中

 

THE LINDA LINDAS 『Growing Up』 Epitaph/Silent Trade(2022)

“Racist, Sexist Boy”のライヴ動画がバズりまくった10代の4人組が満を持して完成させた初作。ローファイに振らず、ウェルメイドに仕上げたプロダクションが大正解。すでにパンク・クラシックの風格があります。 *田中

 

PJ MORTON 『Watch The Sun』 Morton/Empire(2022)

タンク・アンド・ザ・バンガズなどNOLA産の豊作ぶりも際立った一年でしたが、1枚だけ挙げるならやはり本作。アレックス・アイズレーやナズら多彩な客人を迎えつつ地元マナーがしっかり響いてくるのも好ましかったです。 *出嶌

 

PUSHA T 『It’s Almost Dry』 G.O.O.D./Def Jam(2022)

2022年のヒップホップにおける王道の最高峰。レーベル代表のカニエ・ウェストとクリプス時代から縁のあるファレルが後見した贅沢な内容で、主役のドープな存在感と豪華客演の化学反応も楽しめた。そしてカニエは……。 *出嶌

 

REMA 『Rave & Roses』 Jonzing World/Mavin(2022)

欧米からの熱視線も増している現行アフリカ勢ですが、ファイアボーイDMLと並んで話題になったのはこのナイジェリアの若きスター。アフロレイヴなる独自の折衷アフロビーツと伸びやかなラップが爽快な快作でした。 *出嶌

 

坂本慎太郎 『物語のように(Like A Fable)』 zelone(2022)

生得のデイドリーミングな感覚に軽妙さを加えたサウンドに加えて、牧歌的かつラヴリーな風景や心情を描いた言葉に、ささくれがちな心も丸くなりました。KEN KENのトロンボーンもゴキゲンの一言。 *田中

 

THE SMILE 『A Light For Attracting Attention』 XL/BEAT(2022)

レディオヘッドの主軸2人が、サンズ・オブ・ケメットの凄腕ドラマーと組んだプロジェクトの初作は、ならではの先鋭さは保持されつつ、パワフルなロック・サウンドが魅力。その真髄は先日発表されたライヴ音源にあり? *田中

 

CONAN GRAY 『Superache』 Republic/ユニバーサル(2022)

Z世代のアイコンとしてさらに存在感を増すなかで届いた2作目は、愛の与える喜びと悲しみ、少年時代の傷などを表現した真摯な作品に。エモーショナルながらも、情緒過多にはならない品の良さに惹きつけられた。 *田中