合唱大国エストニアの優秀合唱団の名演。透徹した祈りに溢れた絶美の歌声で、隠れた傑作を広く知らしめる一枚。ラフマニノフはピアノ協奏曲に代表されるピアノ作品が人気で、声楽作品でも作品37の“晩祷”が有名。“聖ヨハネス・クリソストムスの典礼”はロシア正教会の典礼の作品で歌詞は教会スラヴ語。作品の初演を聴いた聖職者が〈美しすぎるくらい〉と語ったそうだが、その通りの魅力を伝える録音。現在、過去の支配の歴史からエストニアとロシアの関係はウクライナのそれと同様、危機的状況。今エストニアを応援し平和を願いつつ、ロシア文化の作品を聴くことは複雑な思いで、考えさせられる。
カスパルス・プトニンシュ&エストニア・フィルハーモニック室内合唱団(Kaspars Putniņš & Estonian Philharmonic Chamber Choir)『ラフマニノフ:聖ヨハネス・クリソストムスの典礼』絶美の歌声で隠れた傑作の魅力を伝える名演
KASPARS PUTNIŅŠ , ESTONIAN PHILHARMONIC CHAMBER CHOIR
『ラフマニノフ:聖ヨハネス・クリソストムスの典礼』
BIS
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キングインターナショナル
2022