トム・ミッシュとのコラボやオバマ大統領のプレイリスト入りで数年前からバズっていたサウス・ロンドン出身のシンガー・ソングライターによるファースト・アルバム。メロウななかにもエッジのあるR&B/ソウルなサウンドは、時折ジャジーな表情を交えつつ、溢れ出す快音が全身に染み渡る。だが、本作に一貫しているのはポリティカルな視点と抗議の声だ。性差別や移民問題、人権に関わる理不尽な政策などに対して鋭く切り込み、タイトルにもある通り力強く立ち上がる。H.E.R.やリトル・シムズに通じる新世代の声として勇気を貰い、刺激を受けるリスナーも多いはず。私生活がミステリアスだったり、シャープなルックスもプラスに作用して、説教臭くなりそうなギリギリのところで、クールに共感を呼び覚ます。