Photo by Rosie Foster

2021年の話題をかっさらったデビューアルバム『For the first time』に続いて、ブラック・カントリー・ニュー・ロード(以下、BC,NR)が早くもセカンドアルバム『Ants From Up There』をリリースした。UKで3位、オーストラリアで6位と、商業的にも批評的にも高い評価を得た本作は、より構築性と物語性を増したバンドアンサンブルとエモーショナルな歌心が感動的な一作だ。リリースの直前、ボーカリストのアイザック・ウッド(Isaac Wood)が脱退した、という衝撃的なニュースはファンを悲しませるとともに驚かせたが、バンドは今後も活動を継続する意志を表明している。

今回は、そんなBC,NRを軸に、近年盛り上がりを見せるサウス・ロンドンの音楽シーン、ひいてはロンドンやUK全体のインディーシーンについての対談をお届けする。noteなどで同地の音楽について深く掘り下げた記事を執筆しているCasanova.S、パーティー〈School In London〉を主催するDJ/ライターの村田タケル、インディペンデントメディア〈ORM〉を運営するHayato Kajihara・Hayata Matsuhiro・Ryodo Fujita、そしてイギリスの大学院に留学中のライター佐藤優太に、UKシーンへの思いを語ってもらった。

それぞれが独自の視点から音楽についての発信を行う4組の話を聞いていると、彼らの活動に、現行のUKシーンにおけるDIY性やみずからコミュニティーを築き上げようとする姿勢が重なって見えた(なお、この取材はアイザックの脱退が発表される前に行った)。

BLACK COUNTRY, NEW ROAD 『Ants From Up There』 Ninja Tune/BEAT(2022)

 

音楽について独自の発信を行う4組

――まずは、みなさんの自己紹介からお願いできますか?

佐藤優太「佐藤です。以前は日本の音楽メディアやライブハウスで働いていましたが、去年の9月からロンドンの大学に1年間留学して、勉強をしながら現地のライブをよく観に行っています」

Casanova.S「僕は、最近ele-kingなどでライターとして書かせてもらっているCasanovaです。みなさん、Twitterなどですでにご存知かと思いますが(笑)」

村田タケル「〈School In London〉というインディーロックのイベントをやっている村田タケルです。DJイベントの運営をずっとやっていましたが、最近はMikikiなどで記事を書かせてもらっています」

Hayato Kajihara(ORM)「ORMというメディアをFujita、Matsuhiroと3人でやっているKajiharaです。ORMでは、海外のアーティストやレーベルにインタビューをしながら、リリース情報などを随時アップデートしています」

Ryodo Fujita(ORM)「ORMのFujitaです」

Hayata Matsuhiro(ORM)「ORMのMatsuhiroです。僕は、〈School In London〉で2人と出会ったんです」

――村田さんが繋いだ縁なんですね! ORMは、自主性とソウルを感じるすごく良いメディアだと思います。