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あがた森魚がテクノポップに挑んだカルト名盤『乗物図鑑』がCDとLPでリイシュー、7インチもリリース

あがた森魚がテクノポップに挑んだカルト名盤『乗物図鑑』がCDとLPでリイシュー、7インチもリリース

あがた森魚のアルバム『乗物図鑑』が2022年11月16日(水)にリイシューされる。また、7インチシングル『サブマリン CW エアプレイン』もリリースされる。

77年、『君のこと好きなんだ』のリリース直後から取り組んだ大作『永遠の遠国』が制作途中で頓挫し、約2年間表舞台から消えたあがた森魚。彼が、大阪の尖鋭的な音楽誌「ロック・マガジン」の編集長でヴァニティ・レコード主宰の阿木譲から声をかけられ、きたるべき80年代に向けてリセットをすべく、79年11月に2日間で制作したアルバムが『乗物図鑑』だ。あがたは本作の制作直後に〈A児〉となってバンド、ヴァージンVSを結成。ヴァージンVSで再び成功を収めて80年代前半を駆け抜けたが、本作はその起点となった重要作である。

『乗物図鑑』の演奏メンバーには、北田昌弘(INU)、Phew(アーント・サリー)、Taiqui(ウルトラ・ビデ)、篠田ジュン(SS/コンチネンタル・キッズ)、向井千恵(Ché-SHIZU/イースト・バイオニック・シンフォニア)、SAB、安田隆(飢餓同盟)、藤本由紀(ノーマル・ブレイン)といった、関西ノーウェーブ/パンク/プログレッシブロック/現代音楽の各シーンを代表する精鋭が集められた。〈コンセプトはテクノポップ〉という阿木の明確な意図のもと、SABと、音を操る現代美術家・藤本由紀夫の2人が中心になり、シンセイサイザーなどのエレクトロニクスを演奏。現在の視点からはヴィンテージ機材の響きがレトロフューチャー的に感じられ、あがた森魚ならではの〈ブリキ製ロックンロール〉になっていると言える。

本作に収録されているのは、テレックスの“Twist A Saint”(78年)をもとにした“恋のラジオシティ”で幕を開け、北田と篠田のパンクギターが鳴らされる“ブリキ・ロックンロール”、ジョイ・ディヴィジョンの“She’s Lost Control”(79年)をアレンジした“サブマリン”、向井の胡弓によるインプロビゼーションが聴きものの“Rの解答”、阿木から〈泣き節はNG〉との注文がありながらも抗しきれずに収録したというピアノの弾き語り“黄昏ワルツ”などの8曲。特に、藤本が稲垣足穂の肉声をコラージュ・編集してイントロに使った“エアプレイン”は、あがた的タルホ宇宙を結晶化した名曲として知られている。

80年3月、「ロック・マガジン 30号」の付録として“恋のラジオシティ”がソノシートが発表された。その後、4月に『乗物図鑑』がLPで300枚発売され、あっという間に売り切れたという。『乗物図鑑』は、86年にヴィヴィドからLPが再発され、2007年に初めてCD化された。

奇跡的なローファイ・ピコピコ・テクノポップを聴かせる『乗物図鑑』は、海外でカルト的な評価を受けており、ジム・オルークをはじめとする世界中のアーティストやリスナーに影響を与えている。

そんな名盤『乗物図鑑』が、今回CDとLPでリイシューされる。再発したのは、日本のアンダーグラウンドな音楽を紹介している米NYのレーベル、メッシュ・キー(Mesh-Key)だ。

また、今回のリイシューのトレーラーが発表された。

同時にリリースされる7インチシングルには、A面に“サブマリン”、B面に“エアプレイン”が収録される。いずれも、リリースから42年にして初のシングル化となる。

あがた森魚による80年の事件的名作『乗物図鑑』。ぜひこの機会に手に入れてほしい。

 


RELEASE INFORMATION

あがた森魚 『乗物図鑑』 Mesh-Key/ブリッジ(1980, 2022)

■輸入CD国内仕様
リリース日:2022年11月16日(水)
品番:BRIDGE364
価格:2,695円(税込)

■輸入LP国内仕様
リリース日:2022年11月16日(水)
品番:BRIDGE363
価格:3,938円(税込)

TRACKLIST
CD
1. 恋のラジオシティ
2. ブリキ・ロックンロール
3. サブマリン
4. エアプレイン
5. コックテイル・マシーン
6. 黄昏ワルツ
7. Rの解答
8. 連続香水瓶

LP
SIDE A
1. 恋のラジオシティ
2. ブリキ・ロックンロール
3. サブマリン
4. エアプレイン

SIDE B
1. コックテイル・マシーン
2. 黄昏ワルツ
3. Rの解答
4. 連続香水瓶

 

あがた森魚 『サブマリン CW エアプレイン』 Mesh-Key/ブリッジ(2022)

リリース日:2022年11月16日(水)
品番:BRIDGE365
価格:2,145円(税込)

TRACKLIST
SIDE A: サブマリン
SIDE B: エアプレイン

編集/マスタリング:George Mori