リリース日などで〈9〉という数字を重んじてきた彼らの9作目。ここにきてより生身の表現になった印象で、バンド活動の比喩とも取れるギリギリの綱渡りを描く表題曲は、平易でいて安易ではない言葉でまっすぐ心情を伝えてくる。サウンドも従来の厚みや高い構築性から転じて、4人が向き合ってシンプルに轟音を鳴らすスリルと、強靭でタイトなリズムの威力を突き詰めたものに。彼らのアートフォームの真髄がここにある。