日本を代表する都市型の音楽フェスティヴァル〈SUMMER SONIC〉が、2015年は8月15日(土)と16日(日)の2日間、千葉・QVCマリンフィールドおよび幕張メッセ、大阪・舞洲サマーソニック大阪特設会場で同時に開催されます。Mikikiでは、昨年に続きサマソニの主要ステージに出演する全アーティストと注目アクトを、視聴/試聴コンテンツと共に紹介していく連載を展開! いよいよチケットの一般発売スタートというタイミングで公開する第1回は、約1年ぶりにクリエイティブマンのオフィスにお邪魔して清水直樹社長に直接うかがった、今年のサマソニの見どころなどをお届けします!

★第2回〈ヘッドライナー&注目アクト編〉はこちら
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洋楽アクトの注目ポイント

――今年から〈SUMMER SONIC〉のロゴが新しくなりましたね。

「そうなんです。昨年に15周年を無事に終えることができて、また新たにスタートを切るという意味もあってロゴを一新しました。これまでのイメージからガラッと変わった〈SUMMER SONIC〉を打ち出したかったので、まずはロゴからやっていこうかなと」

――それでこのタイミングだったんですね。そんな心機一転した今年の〈SUMMER SONIC〉ですが、まずはヘッドライナーのファレル・ウィリアムズについてうかがえますでしょうか。

「もともと輝かしいキャリアを持った人ですが、ここ数年でさらにメジャーのど真ん中に進んでいったと思うんです。それはダフト・パンクの“Get Lucky”のような客演も含めて。彼のソロ・アルバム『Girl』もあれほどの大ヒットとなったし、ヘッドライナーで呼ぶならこのタイミングを逃してはいけないなと考えていました」

――シングルの“Happy”も日本を含め世界中でヒットして、大きな盛り上がりを見せました。

「昨年のコーチェラで観た彼のライヴがあまりにも素晴らしかったので、これは何としても〈SUMMER SONIC〉で見せたいな、と感じたんです。うちとしてはトライアルの部分もあったのですが、〈日本でのステージを上げて行きたい〉という想いがありました。結果的には相思相愛で出演してもらえることになったんです」

――もう一方のヘッドライナー、ケミカル・ブラザーズはサマソニ初登場ですね。

「そうなんです。〈あまりにもフジロック色が強い〉とみんなに必ず言われるけど(笑)、いつか出てもらいたいという気持ちはずっと持っていました。最初は〈SONICMANIA〉かな?と考えていたのですが、彼らのショーはライティングも含めてかなり大規模で、〈今年はフェスを絞ってヘッドライナーとしてツアーを廻りたい〉という向こうの意向もあったので、思い切ってトリで締めてもらおうと決断しました」

――〈SUMMER SONIC〉でのケミカル・ブラザーズは新鮮ですし、どんなパフォーマンスが観られるのか楽しみです。

「スタジアムや野外といったロケーションに間違いなく合うライヴになると思います。これまでの〈SUMMER SONIC〉とはガラッと変わったヘッドライナーになったんじゃないかな」

――そしてビッグ・サプライズだったのが、昨年に15年ぶりのアルバム『Black Messiah』が突如発表されて、まだ世界中がその余韻を引きずっていたなかで出演が発表されたディアンジェロです。

「僕らにとっても〈まさかフェスティヴァルに出てくれるなんて〉という驚きはありました。本来であれば、あれだけ凄いアルバムを出したのでファンは単独公演を期待していた節もあると思うんです。でもなぜか〈SUMMER SONIC〉に興味を持ってもらえて、オファーが成立した。これまでブラック・ミュージック系の大物アーティストはたくさん呼んで来ましたが、そのなかでも異色だと思うんです。オーディエンスもどんな方が来るのか楽しみですね」

――洋楽アクトであれば、いままさに旬で観たい!というアーティストが多い印象を受けました。アリアナ・グランデやマックルモア&ライアン・ルイスだったり。このあたりの狙いを教えていただけますか?

「アリアナは日本が大好きで何度も来てくれていますが、なかなかツアーが決まらなかったという事情もあったんです。ただ、実は昨年くらいからフェスに興味を持っているという話は聞いていて。うちは昨年あまりにもロック色が強いラインナップだったのでオファーが難しかったんですが、今年は思い切ってポップ寄りに攻めていくなかで、ファレルと並ぶポップ・アイコンは誰だろう?と考えたときに〈彼女しかいないな〉と。かなり強気のオファーを出したのですが、〈強気〉対〈強気〉ということで、バシッと決まりました(笑)。それでようやく2日間のバランスが取れたかな、という想いがあったので、決まったときは非常に嬉しかったですね」

――なるほど。ではマックルモアはいかがでしょうか?

「マックルモアは、とにかくライヴが素晴らしいんです。彼らをフェスで観てもらって、日本でのステージをもう一段上げたいという話は前々からしていて。それを約束通りにお互い決めにいった、という流れでしたね」

――その流れでいくと、イマジン・ドラゴンズあたりも海外との熱量にギャップがあって、いい認知の機会になりそうです。

「彼らも、今年絶対に出てもらいたかったアーティストのひとつでした。2013年のサマソニでは、いきなり新人としてメイン・ステージに上がって、とてつもないライヴをしたんです。真っ昼間の本当に暑いなか、お客さんもアーティストもめちゃくちゃ大変だったろうけど、見事なショウをやってくれて。それ以降の彼らは、案の定スタジアム級のアーティストにジャンプ・アップしたし、それを受けて今年はトリ前くらいで見せたいなと考えていました。それで、今年のアルバム『Smoke + Mirrors』を聴いたときに〈そのレヴェルに到達したな〉と確信したんです」

――そうした〈いま〉の流れを汲んだラインナップが揃っている一方、マニック・ストリート・プリーチャーズの94年の名盤『Holy Bible』の再現ライヴがあるのが面白いですね。

「いま、こうした再現ツアーは多くなってきているように思います。昨年もスウェードの『Dog Man Star』の再現ライヴが日本でありましたよね。僕らも2011年にプライマル・スクリーム『Screamadelica』の再現ライヴをやったのですが、フェスの枠内でやるのはまだ珍しいのではないでしょうか」

――また違ったフェスの楽しみ方ができますね。

「例えばですが、グリーン・デイが『Dookie』の曲だけをやるようなライヴだったり、そういったアイディアがどんどん実現すれば、当時ファンだった人たちが帰って来て楽しむという状況も作っていけると思うんです。毎年こういったチャレンジができるといいなという気持ちもあるので、今年はマニックスでがんばってみようと考えています」

――ほかに、インディー系のアーティストや新人アクトのなかで、特に今年の注目ポイントがあれば教えていただけますでしょうか。

「ロック系の新人で、なおかつポップス寄りに少し傾いたものを入れてみたいという狙いがありました。今回で言えば、エコー・スミスやスモールプールズあたり。ファン.のジャック・アントノフのプロジェクトであるブリーチャーズもそうかな。ロックとポップスがクロスオーヴァーしていく状況のなかで、アーティストが大きくなることでロック・マーケット自体も拡大していくことを、フェスティヴァル側としても応援していきたいですね」

――今年の〈SUMMER SONIC〉の〈変化〉の部分ですね。

「これまでであれば、インディーを中心に置くのがロック・フェスのやり方だったと思うんです。そこのバランスを取って、もちろんインディー・ロックは押さえつつ、でもポップ寄りなものも押さえて……そのバランスを特に今年は意識していますね。よりポップに寄ったマジック!やニコ&ヴィンズだったり、コーディー・シンプソンあたりのアーティストを、〈MARINE STAGE〉や〈OCEAN STAGE〉のような大きな舞台で見せたいと考えています」

――いまステージのお話が出たので、今年のステージ割りのポイントを説明していただけますでしょうか。

「メイン・ステージである〈MARINE STAGE〉と〈OCEAN STAGE〉は、ポップスやロック、ダンス系も含めて、バッチリとメジャー感のあるアーティストを持ってきたという意識が強いですね。〈MOUNTAIN STAGE〉に関しては、マリリン・マンソンやオール・タイム・ロウであったり、1日はロックやヘヴィー色の強いステージを作っておきたかった。これから邦楽のアーティストも入ってくると思うんですが、ここはロックにこだわったステージにしようと考えてます」

――そしてもう1日がやはり……。

「ディアンジェロは異色ですが、オリー・マーズやカーリー・レイ・ジェプセンといったポップ・アクトも並んでいて。それに、クリーン・バンディッツのような旬のアクトも含め、いまの洋楽シーンの流れを楽しめるんじゃないかなと思います。それと〈SONIC STAGE〉は、毎年ここに居座ってくれるようなファンの方々の気持ちを考えた、インディーものをしっかり押さえたラインナップを意識しています」

――ステージの話でいくと、〈BEACH STAGE〉の〈Billboard JAPAN Party〉が今年も開催されますね。

「この枠は、ビルボードさんとうちで楽しみながらブッキングしています(笑)。今年は〈ファンク〉というイメージで、ザップやオリジナル・ジェイムズ・ブラウン・バンド、そしてタキシードまで出てくれることになりました。実は、うちで20年くらい前に〈Let's Groove〉というイヴェントを日比谷で開催して、オハイオ・プレイヤーズなんかを呼んだりしていたんです。実はそういう音楽が昔から好きで(笑)。できれば往年のファンク・ファンにはこのステージを目がけて来てもらいつつ、ファレルやマックルモアあたりのファンにも〈カッコイイじゃん!〉と観てもらえたら嬉しいですね」