エキセントリックな魅力を持つ紅一点シンガー、アロウ・デ・ワイルドの存在に目を奪われがちだが、スタークローラーが奏でるグラマラスなロックンロールをより聴き応えあるものにしているのがギター・アンサンブルだ。グランジ・ロックや70s調パンクをガツンと鳴らしながら、ディスコに加え、カントリーにまでアプローチするこの3作目では、そんな曲の振り幅とともにペダル・スティールもプレイするギタリストをもう1人迎えたことで、さらに巧妙になったギター・アンサンブルにもぜひ耳を傾けたい。ギター・ロック・サウンドのかっこよさをシンプルに打ち出した“Thursday”、浮遊感溢れる音像の中でペダル・スティールがサイケデリックに鳴る“Broken Angel”他、聴きどころも多い。